北朝鮮は今どうなっているのか?東京連続集会96全報告
◆北朝鮮の権力内にひび割れも
宋允復 一つ言い忘れましたが、北朝鮮の権力内で、色々なひび割れが起きているのかなという感触がある。去年の人民保衛省と保安省との問題。去年1月にも類似のことを聞きました。それは一時期金元弘(キム・ウォンホン)が保衛省のポストをはずされ粛清されていることです。
そのきっかけとなったのが、組織指導部の党生活指導課の課長が当時の保衛部長の金元弘は越権行為が多いということで訴えようとした。それを察知した金元弘が逆襲しましたね。組織指導部に不正があるようだ、と。
金正恩の了解を得て、党生活指導課長のチャン・ソンビンという名前だと聞きましたが、彼を保衛部で取り調べた。それだけにくたらしい相手だったので死なせてしまったらしい。
その報告を受けた金正恩が怒って、「そんなことをするから我々が人権蹂躙国家などと名指しされるんだ」と言って、保衛部はだめだと査察が入った。査察が入った理由は別にもあります。金正男暗殺指令がなかなか遂行されない等です。そういう話を聞いて私は笑いました。
強制しているのは金正恩であって、その下手人として保衛部を使っただけのことであって、しくじったから「人権蹂躙国家と言われる」というのは、あたかも外の世界に対する逆宣伝になります。そういう話をわざと外に漏らしているのかなと思いましたが、違うらしい。
明らかに北朝鮮の権力内でひび割れ、亀裂がある。これは突いていって、もっと傷を大きくして、なるべく体制が変わるようにすべきだと思いました。
西岡 ありがとうございました。今日は拉致問題については最後になりましたが、長年ジャーナリストとして北朝鮮をウォッチされてきた久保田さんと、NGO活動家ですがたくさんの人脈を持っていて、最新情報を持っている宋允復さんのお二人に来ていただき、今何が起きているのかについて伺いました。
特に宋允復さんからはいくつか特ダネというか、ここでしか聞けないことも聞くことができました。もちろん情報というのは検証しなければいけませんが、こうして3人が座っていると、同じ方向の情報が出てくるというのは、ほぼ間違いないのではないかと思います。
そうすると金正恩は人権問題でも国際社会から追及され、核・ミサイル開発で中国、アメリカからも圧力を受けている。しかし、あと1回核実験をしないと核弾頭は完成しない。それをすると圧力が決定的になるかもしれないというところに今追い込まれている。
その中で日本は核と拉致を分離し、拉致だけで交渉できるという旗を揚げ続けている。彼が核実験をして最後のかけに出るか、その前に拉致被害者を人質として交渉に来るか。後者になる可能性も十分あり得る。まだ条件がたくさんあるので断定的なことは言えませんが、今年後半全員取り戻すことについて絶望ではない。
何もしなければ取り戻すことはできない。努力をすれば道は開ける。最大限のことをやってほしいと思いますし、我々もできる限りのことをやっていきたいと思います。
今日は興味深い、そして貴重な情報を、お二人ありがとうございました。もう1回くらいやってもいいくらあいだなと思っています。ありがとうございました
(拍手)。
西岡 では家族会の飯塚繁雄代表にお願いします。