緊迫する米朝関係と拉致問題?東京連続集会97全報告
◆中国は「石油で圧力」をかけていない
西岡(救う会会長、麗澤大学客員教授)
じゃあ日本は一体何なのか、韓国の5月の選挙結果は一体何なのかと思ってしまいます。そしてチキンレースが続いている。これが基本的構造です。
2番目の、「アメリカはすべての手段を使ってやめさせる」と言っている、「すべての手段」には順番がある。第一に経済制裁。アメリカは北朝鮮とほぼ経済関係がありませんから、日本や韓国などとともに経済制裁をする。日本も韓国も今、厳しい制裁をしています。
しかし、裏から北朝鮮の核開発を支えているのが中国と最近のロシアです。中国とロシア、イランとの経済的関係を断つことができれば、各開発は止められるかもしれない。それは軍事的行動に比べて犠牲が少なくて済む。そういうことでトランプ大統領は中国の習近平に会って、「石油で圧力をかけてやめさせろ」と言った。
色々な情報によると、4月20日に、北朝鮮は核実験をしようとして18日に中国に通報したら、中国はアメリカに通報し、アメリカは日本に通報したという情報があります。ほぼ間違いではないと思っています。
中国は北朝鮮に、「そんなことをしたら国境を封鎖する」、「アメリカが攻撃しても、相互防衛条約を発動しない」と脅した。それで、「金与正(ヨジョン)という金正恩の妹がこれは危ないと言って核実験を延期した」という情報があります。
その時はトランプ大統領は、習近平に「よくやっている」と言いました。しかし、大陸間弾道弾の発射実験をされてしまって、「中国は何をやっているんだ」と言い始めました。
まず、中国に交渉してやらせるというのが第一段階ですが、中国が本気になって止めなければ、アメリカはまだ手段を持っている。それは、アメリカの国内法で制裁をかけることです。
中国が本気にならないということは、自動的に安保理事会が機能しないということです。安保理事会で制裁決議をしようとしても、中国が拒否権を使って決議ができなくなる。大陸間弾道弾の発射実験があったのに、安保理は今も非難声明さえ出せない。なぜなら中国とロシアが反対しているからです。
その後ロシアは、「7月に発射されたミサイルは大陸間弾道弾ではなく中距離ミサイルだ」と言った。そこの認識が一致していないので、安保理は何もできないという状況です。