緊迫する米朝関係と拉致問題?東京連続集会97全報告
◆米朝裏交渉が行われている?
西岡 それも断定的なことは言えないので、惠谷治さんにここに来てもらった時の惠谷さんの見解は、彼らが北極星と言っているものは長く、火星と言っているものは短い。惠谷さんは北極星は人工衛星を打ち上げるもので、あれは長くて衛星で発見しやすいから、あれを大陸間弾道弾とは呼んでいないのではないか、と。
北極星については、人工衛星の発射に成功しているわけですから、金正恩が今年1月に、「大陸間弾道弾の実験準備が終わっている」と言ったのは、北極星系統ではなく、火星系統が完成したという意味ではないか、と。
今回やった火星13、アメリカで言うとKN13と思われる物は去年も燃焼実験をやっていました。そういう有力な解釈もあるのに、アメリカの安全保障を考える人が、甘い方だけを取るというのはちょっと解せない気がします。もしかしたら、裏でそういう交渉が行われている危険性もありますね。
島田 西岡さんが今指摘した解せない面が色々ありますが、ゲーツという人は風向きを見るに敏な人で、だからブッシュ、オバマ政権と続いて国防長官をやっているし、去年の大統領選挙では当初トランプ氏のことを「修理不能な男」と言ったり、「軍の最高司令官にふさわしくない人物だ」と言っていた。
ところがトランプは当選した直後、ティラーソンの国務長官指名について、真っ先に大声で賛成したのがゲーツでした。そういう調子のいい男でもあるんです。そして現在トランプ政権との関係は悪くないと言われている。そういう人物の発言で、かつ先ほども言った通り、ウォールストリート・ジャーナルは、「これはスマートな案だ」と言っている。そういう議論が現にあるので警戒すべきでしょう。