救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

緊迫する米朝関係と拉致問題?東京連続集会97全報告



◆危機が目の前にあるということを感じる時

西岡力(救う会会長、麗澤大学客員教授) 私も米軍の情報関係に近い人と時々会うんですが、同じことを言っていました。「つぶすのは簡単だ。しかしその後が問題。軍事攻撃を躊躇する理由の一つは、後のプランができていないことだ、と。
 イラクでもリビアでも、せっかく倒した後、逆にテロ勢力が跋扈するようになった。しかし、アメリカ軍は攻撃したら休暇をとって帰ると思っている。残って何か統治をする準備はない。確かに英語しかしゃべれない人が北朝鮮を統治できないでしょうし、その場合にまずは韓国政府がどういう対応をとるかということですが、今の政府は、そういうことに反対するような政府です。
 そういう中で中国にやらせるのかという話が今出ているわけです。自衛隊が言っても治安維持はできません。朝鮮語ができませんから。できるとすれば韓国軍しかないんですが、韓国軍の統帥権者がそういうことを望まない人を国民が選挙で選んだのが今の状況ですので、そこが軍事力を使えない一つの要素になるとすると、金正恩は追い込まれたと思わないのではないか。すると最後に日本に譲歩してくることはなくなるかもしれない。
 様々な変数があり、まだ結論的なことは言えませんが、島田さんの話でも、アメリカは一枚岩でないことが今日よく分かりました。アメリカも両極化していて、一枚岩ではない。様々な考えがアメリカの中にもある。保守派の中にさえあるということですね。
 そしてトランプという、ういう経験があまりない人が最終決断をするところにいる。世論の中には爆撃すべきというものもかなりあるが、世論は移りやすくて、泥沼のような戦争になったら、そんなことじゃなかった筈だというかもしれないと、島田さんが指摘したようなこともある。
 しかし、列車が近づいていることだけは間違いない。トランプは「戦略的忍耐は間違いだった」と言っている。アメリカ本土まで届く核・ミサイルを持たせないということからして、「戦略的忍耐は間違いだった」と言っている。
 忍耐しないと言っても、彼の任期は4年ですから、来年が終わったら、DIAの報告で言うと、核・ミサイルができてしまうと言っている。できてしまったら、「戦略的忍耐は間違いだった」と言った自分が間違いだったことになる。
 私は、「産経新聞」に寄稿した中で、ティラーソン国務長官が、「北朝鮮の問題には少し時間がかかるが、ある程度の忍耐は必要だ」と言ったので、「あなたは忍耐は間違いだと言っていたんじゃないか。忍耐するのか。オバマ政権の対北政策を批判する資格はない」と批判したんですが、そういう中でアンテナを立てながら、安全に全被害者をどう取り戻すかということを、北朝鮮の核を取り上げるという大戦略の中でまず最優先でやらなかればならないと。
 最初の話に戻りますが、しかし、4月に比べて列車は少し近づいている。緊張は全然下がっていない。むしろ高まっている。そういう危機が目の前にあるのに、危機だと思っていない。
 アメリカの空母が来ない限り危機じゃない。本来ならアメリカの空母が来てねいことが危機でもあるわけです。北の核武装を容認してしまうという危機もあるんです。そういうことについてほとんど議論がないこと自体がまず危機で、そういう中で拉致被害者を安全に取り戻すという2つ目の目標を我々は考えている。
 安倍政権は第一次政権以降、拉致問題対策本部を作り、拉致問題担当大臣を置いているわけです。そこで北朝鮮が三度目の譲歩をするかもしれない時期がきた。今までは拉致対策本部がなかったから失敗したとも言えたわけですが、今はそうではない。
 ライフワークとして拉致問題に取り組んでいる人が総理大臣で、危機ですけれどもチャンスも来ている。ここでも取り戻せなかったら、家族の人たちの健康状態を含めて、本当に取り戻すことができない結果になてしまうかもしれないという点で、我々も追い詰められているんですが、金正恩も追い詰められている。
 危機が目の前にあるということを感じてない人たちに私は本当にいらいらしてならないんです。
島田 今臨時ニュースで「稲田防衛大臣辞任」と出ました。内閣改造前に辞任するでしょうが、やはり今日話をしてきたように状況にあるわけで、アメリカによる軍事攻撃があってもおかしくない状況です。そういう事態に対処できるような見識、そして今合法すれすれのラインですが、違法になってもいいからとにかく拉致被害者を救出に行くんだという意思を持った、しっかりした人を防衛相にすることが大事ですね。


  
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