今年中に全拉致被害者の救出を!国民大集会全報告
◆拉致問題の解決を最優先で進めてほしい
飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)
本日は、天候が非常に悪い中、このように多くの皆様がこの国民大集会にご参加いただき、大変ありがとうございます。また日頃より、あらゆる分野で、あらゆる被害者救出活動を精力的に行っていただき、感謝申し上げます。
これまでの経過を考えるに、家族会・救う会が立ち上がって20年経ちました。日朝首脳会談は15年も前の話です。当然この前に色々な動きがあったわけで、5人がやっと帰って来たという事実もあります。しかしながらこれ以降、誰一人としてまだ帰国していません。
そこでこの国民大集会や全国での活動、国際社会を含めた数多くの啓発活動、そして被害者救出のための要請を行って来ましたが、その後誰一人帰国できない。この状況に我々は悔しさと無念さを強く感じます。今日この会場に来ておられる皆様方も同じ思いでしょう。これは非常に憂うることです。
拉致問題では15年とか20年という数字がよく節目として使われますが、我々は毎日毎日が節目で、こんなに長い節目は考えたこともありません。しかし実際には時が過ぎ去っていって、経過だけが、無くなった時間だけが残ってしまいます。これは非常に残念なことです。
問題は、解決までにこんなに長い時間がかかっていることです。なぜそうなっているのか。その実態、原因の分析を含めて究明していくべきだと思います。またこれから何年かかるかも分からない。しかしそういう長い目で私たちはもう見ていられません。「一刻でも早く」といつもお願いしています。
私たちも、愛しい家族を何とか早く取り戻すために日々活動してきましたが、歳を重ねるごとに待ちきれず、残念ながら他界された方がかなりいます。その他の家族の方々も、歳を重ねるごとに体力が落ち、活動もなかなかおぼつかない状態になってきています。
北で40年も監禁されている被害者はさらに大変な思いをしていると思います。私たちは被害者のことを、どうやって説明していいか分かりません。ただ時が過ぎてしまう。これが大きな問題かなと、私たちは常日頃、最近は特に考えています。
政府担当部署あるいは議会が、この時間が過ぎ去る重みを十分感知していただいて、早急な対応が必要になります。このことも宜しくお願いいたします。
今、北朝鮮を取り巻く状況は、核実験やミサイルの乱射、それに対して安保理決議での制裁、あるいは北朝鮮当局の思惑など著しく混沌としていますが、本来北朝鮮との懸案事項は、核・ミサイルとともに、拉致も含めた包括的な解決を望むということになっています。
ところが今、核・ミサイルだけが話題になっており、拉致問題の解決をどうするのかということが置き去りになっていると私は感じています。私たちはこの現象を予測し、拉致問題は核・ミサイルと切り離して、最優先で進めるように要請しています。
政府も、拉致問題は国の重要課題であり、最優先課題であるということを認識していただいています。私たちは今年の当初、本年中に拉致問題の解決をという目標を決め、すべての活動を集中させて、結果がでるようにお願いしてきました。どんな状況にあろうとも、解決への諸対応を怠ることがないように強く要望いたします。
あと3か月で今年も終わりです。本当に解決するのかという心配もありますが、私たちは苦しい状況の中で、注視していきたいと思っています。核・ミサイルの騒ぎが、拉致未解決の理由には絶対したくないと考えています。
皆様方も私たちと一緒に日本の重要問題である拉致問題の解決に向けて、変わらぬご支援を宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 飯塚さんありがとうございました。次に、主催者を代表して拉致議連会長の衆議院議員、平沼赳夫さんにお願いいたします(拍手)。