救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

今年中に全拉致被害者の救出を!国民大集会全報告



◆本当の意味の独立国家、平和国家にならなければ国民を守られない

中山恭子(日本のこころ代表、元拉致問題担当大臣、参議院議員)
 今日は台風の中、国民大集会にご参加くださり、本当にありがとうございます。
 また、司会をしてくださっている櫻井よしこさん。ずっと家族に寄り添いながら拉致問題について、国民の皆様に訴えていっていただいています。ありがたいことだと思っています。
 今日私からは一人の若者のことについてお話したいと思っています。世界的に活躍するバイオリニストの五嶋龍さんをご存知でしょうか。五嶋みどりさんの弟さんです。
 彼が今年、日本の音大以外の大学の交響楽団とのチャリティコンサートを8月、9月にかけて開催しました。そして10月には、ご自身のチャリティバイオリンリサイタルを10日に岡山で、11日に福岡で行うということでした。
 私自身は五嶋さんとお会いしたことはありませんが、事務所を通してのことを今日お知らせしたいと思います。昨年末、五嶋龍さんから各大学に共演を呼びかけた時、40校が関心を示したそうです。今年2月に打合せをした時には、18校が集まったということです。
 ところが、コンサートのテーマを「プロジェクトR-拉致被害者を忘れない」で行うと伝えたところ、ほとんどの大学が手を引いてしまった。参加するということで残ったのはわずか3校だけだった。
 この8月10日に関西学院大学交響楽団、8月13日に宮城教育大学交響楽団、9月2日に大阪大学交響楽団、9月3日に、これは全国の医療系の医学生たちが集まって行う交響楽団はやぶさ、この4か所でコンサートを開けたということでした。
 この動きを見て私は、日本のあり様が如実に表れていると感じとりました。このコンサートの呼びかけテーマ「プロジェクトR」は、五嶋龍さんの龍のR、それからリメンバー拉致(拉致を忘れない)のRとR、この3つのRの「プロジェクトR」と考えたそうです。
 五嶋さんが表に出しているメッセージを簡単にご紹介します。
 「この6月15日には、平和国家日本で拉致被害が、僕らの生まれる何年も前でありながら、一向に救出、返還のめどもたたない不思議なニュースとして自分では受け止めています。その中で、社会の最も中心にある絆を信じて待ち続ける子どもがいて親がいる。世界が巨大なエゴに呑みこまれても、野生のハトはひなを守り、ひなは親の帰りを待つ」
 こういうメッセージを出しています。
 また、8月に龍さんから出されたメッセージの一部をご紹介します。
 「僕が拉致に関して何ができるか。絶対にやると決めたのは、その意思が芽生えて、今もその思いが揺らぐことのないのは、僕を心から愛してくれている母、(非常に強いお母さんだそうですが)、男の子が泣くのは親が死んだ時だけと言い続ける、この世で最も怖い母親、彼女が涙をぬぐうのは、めぐみちゃんとお母さんのことを思う時だけであるということを、自分がそばにいて知ったからです」
 「英会話があまりできなくて、学年で一番小さかった僕が、学校のコンクリートの運動場で突き飛ばされた。先生たちからひどい扱いを受けた時でも、今となればかけがえのない体験だったと言える。それは自分のバックに家庭という社会の基盤があったからだと思っています。従って、思いもかけずに、無理やりに、互いに生死さえ分からない音信不通の地獄に置かれ続けられている家族の痛みは、僕にとっては想像の域を超えることがらです。知人や友人の間で、日本は平和で清潔、人々は親切だし教育程度は抜群、例外なく行ってみたい国のベスト3になっていますが、その日本国が国民の安全を放置し、家族という国家の細胞を不穏なやからに引き裂かれていることを忘れ去って、仮面のままの平和国家を装っている。こんなことがあってよいのでしょうか」
 「色々あって、自分が今回行動を起こそうと思ったきっかけは、これまでに色々なことを教えてもらった標語があるけれども、ニューヨークの電車の中に貼られていた紙の中で、『Ifyou see something, say somethingもし何かを見たら、そのことについて声を出せ』という車内広告にヒントを得たことです。勇気を持って声に表すことを啓蒙する言葉だったと思っています。今日集まったメンバーの一人、関係者の声が、強く真の平和国家日本国へのメッセージとして響くことを願ってやみません」
 このようなメッセージを、初めて社会に掲げるメッセージとして、若いバイオリニスト五嶋龍さんが発表しています。遠く離れたアメリカに住んで生活しながら日本を思い、大人の入り口に立った若者が初めて社会に掲げるメッセージ。拉致被害者の家族を思って涙を流す母親を見ながら、何としても自分もメッセージを出そうとして動き出しているこんな若者がいるということ。
 また、振り返れば日本の中でこの五嶋龍さんの呼びかけに応じてきたのが大学の3校と全国の医療関係の若者たちだけだった。いかに日本の国内が異様な、いびつな国になってしまっているのか。
 この拉致問題は国家という概念を思い起こさせてくれました。未だに日本は本当の意味の独立国家、本当の意味の平和国家というものについて、多くの人々が意識を持っていないということを表していると思っています。
 どうぞ皆様、周りの方々に、一人でも二人でも、日本が本当の意味の独立国家、平和国家になるためには、自分の国の国民を守らなければならないのだということを、語り継いでいただきたいと思っています。
 今年中に拉致被害者を取り戻せるように、政府、総理のもとに直轄の救出チームを作り、加藤大臣を中心にして救出のために動いていただきたいと思います。一緒にこれからもあきらめずに、日本の若者たちが無事に帰国できるまで頑張っていきましょう。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 ありがとうございました。とても大事なメッセージだったと思います。先ほど来、繰り返し出てきているポイントの一つは、拉致問題は政府だけで解決できるものではないということです。国民が心を合わせて、どうしても同朋を取り戻したい。取り戻さなければまともな国じゃない。めぐみちゃんや恵子さんのことはみんな私たちのことなんだ。そのように思って、連帯して、力を合わせていく。その土台があって初めて政権も政府も外務省も、力強く働くことができると思います。みんなで一緒にやっていくということを改めて確認しましょう(拍手)。
 さてここで、主催者を代表して埼玉県知事の上田清司さんにお願いいたします(拍手)。


  
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