家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会98
◆ブルーのネクタイ・トランプ大統領、ブルーのスーツ・ヘイリー国連大使
山谷えり子(自民党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当大臣)
皆さん、こんばんは。毎年のように拉致議連、家族会、救う会で訪米をしていましたが、今回の訪米の意味は本当に大きかったと思っています。核・ミサイル開発で、北朝鮮というのがどのように凶暴で、常識のない独裁国家であるかということを、世界中の皆さんが考えるようになってきている。
そしてこれを何としても止めなければ、世界の平和はない。もしも北朝鮮が核保有国などになってしまったならば、核不拡散という枠組みがはずれ、テロリストたちもダーティボムという形で核がとんでもない組織に行ってしまうかもしれないという危機感が高まっています。
だかこそ、むしろこの時に、北朝鮮のもう一つの大きな問題である人権侵害国家であること、拉致というとんでもないことを長年にわたって引き起こしてきた国だということを強く訴えることで、拉致、核・ミサイルのすべてを解決に持っていく契機にしていくとの強い思いがありました。
5月に行こうか、あるいは7月にしようか、色々あったのですが、9月は国連のハイレベル総会です。大統領や首相たちが各国から来る。とても忙しいだろうからアポがとれるかなあと外務省は言っていたのですが、「だからこそ行くべきだ」、「そこをめがけていくべきだ」と思って、今回のスケジュールになりました。
拓也さんが行ってくださったことが本当に大きかったと思います。早紀江さんが本当に幸せそうなお顔をして、拓也君と哲也君がお母様にじゃれるような形で、そしてめぐみさんがにこにこしながら、スキップするような、歌でも歌っているような、笑い声が聞こえるような、そんな家族の写真を持って、国務省、国防総省、ホワイトハウスの政府高官たち、上下両院の議員たち、そして日本に非常に共感を持ってくれる国々の大使、またむしろ北朝鮮側に立っていると思われる国々の大使に、戦略的に面会を申し込んでお会いし、拓也さんが直に訴えたというのは本当に大きかったと思っています。
私は今日も、拉致救出のシンボルカラーであるブルーの洋服を着ていますが、アメリカでもずっとこれを着ていたんです。横田早紀江さんが、「北朝鮮と日本とが青い海、青い空でつながっているのにどうして救出できないの」と。
そして世界で14か国が被害国だと言われています。「その国々の被害者たちをどうして救出できないの」と。あるいはとんでもない独裁国家のもとで自由を奪われて暮らしている北朝鮮の人々、2300万人の人々も解放してあげたいという思いのシンボルカラーです。
安倍総理もいつもつけていらっしゃるブルーリボンのブルーの意味はそういうことなんだということも説明してきました。9月19日にトランプ大統領が国連で、「日本の13歳のかわいい少女が拉致されたことを私は知っている」と。「Sweet thirteen year Japanese girl」とおっしゃったのですが、時差の関係で真夜中でしたが、ワシントンの行使がすぐに興奮して、「これは拓也君の訴えがこの発言につながったんですよ」と言っておられました。
その時トランプ大統領はブルーのネクタイをして演説しておられました。ヘイリー国連大使というインド系のアメリカ人女性が、「ブルーのスーツを持っているので拉致問題を訴える時はこういうものを着たい」とおっしゃっていました。
安倍総理は、誰よりも長く、安倍晋太郎外務大臣の秘書官の頃から頑張ってこられた。第一次安倍内閣で解決できなかった。何としても第二次安倍内閣で、もっと大きな戦略性をもった訴えを、国際的にしていかなければならないと考えられた。
もちろん日朝の会議で解決できるように頑張らなければいけないんですが、同時に世界的な仕掛けがいると考えられて、国連に北朝鮮の人権問題と拉致問題を調査する委員会を作ってもらったんですね。
私もインタビューを受けましたし、拓也君のご両親も受けられました。増元さんも受けられました。そして各国に調査の人が回って、北朝鮮はとんでもない人権を侵害する国だという400ページに近い報告書が出ました。
拉致問題や公開銃殺、拷問、強制収容所の生々しい実態を詰めた報告書が出ました。これを関係者が読んで、「ああ、そういうことか」と、2014年、大きな衝撃が国連の中で走ったわけです。