家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会98
◆軍事的圧力もあるが、人権問題に対する圧力もある
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
素人的な感覚で言いますと、ブッシュ大統領が北朝鮮と向き合っていた時の外交圧力というのは、一つのゴールから少しずつ緩和していったような形に見えた。それが彼らの外交政策に見えたんですが、今回は圧力をどんどん高めていくアプローチに見えます。
安倍総理も時々、色々な場で我々にお話ししていただきますが、外交圧力、制裁の圧力というのは、どんどん上げていく力の場面もあれば、条件をこうするから制裁も下げるという2つの方向がある、という話を我々はよく耳にします。
今のアメリカのトランプ大統領がやっていることは、北朝鮮に対して圧力をどんどん強めて、「いい加減に降参しないともっと強めるぞ」と言っているように思えます。
その点、今回訪米で面会した色々なところで、私たちが相手の方々に言ったのは、先ほど西岡先生からもお話がありましたが、これまで日本も含めて世界各国が北風より太陽政策が大事だということで、そして交渉が大事だということで北朝鮮と向き合ったことが時間稼ぎを許してしまって、核・ミサイル開発を許してしまったことが問題だ。
だから今、交渉が大事というのは全く的外れだよということを言いました。その点で言えば、どんどん圧力を強めて、本当にいい加減にしないと、安倍総理がよく言われますが、「未来は描けないよ」というアプローチを今のトランプ大統領がとっており、このやり方が正しいと思っています。
そしてその中で、人権問題というのは人類の普遍的価値に関する問題なので、日本だからとか、アメリカだからではなく、聞いているあなた自身の問題なんだということを感じてほしいということと、日本だけの問題ではなくて、世界各国にまたがる大きな、深刻な問題であり、かつ北朝鮮に捕らわれている国民自身の人権問題でもある。
だから各国代表部、議員のみなさんも真剣にとらえてほしいということを訴えて、その思いが結果的にアメリカの政権にも伝わって圧力を強めているけれども、その圧力というのは軍事的オプションの側面もあるんでしょうが、人権の側面もあって北朝鮮と向き合っているような気がします。
その点で私たちにある意味で友好的な風が吹いているのかなと感じています。
西岡 同じ質問ですが、山谷先生は大臣もなさっていて、それはオバマ政権の時だったと思いますが、その前のブッシュ政権の時も拉致議連としてヒルさん(国務次官補)とも対峙してくださいました。その時のアメリカと今のトランプ政権はどこが違い、どこが共通しているのかについて印象はどうだったのか、お願いします。