救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会98



◆拉致被害者家族がアメリカで制裁強化を求めたことが大変重い

西岡力(救う会会長)
 今の点について付け加えると、私も島田さんの言うことが分からないわけではないですが、もしも安保法制が今もなかったら、安倍総理がトランプ大統領と会っても、相手にされなかったと思います。
 トランプ大統領は、「日本は何をするのか」と繰り返し聞いているという話をワシントンにいる記者等から聞いています。少なくともグアムの基地は、日本のイージス艦で守れる。北朝鮮にとっては、B1Bというグアムにある戦略爆撃機が今一番怖いんです。だからこそグアムに届く発射実験をしました。
 火星12というミサイルは、グアムに届くんです。北海道を2回飛び越えましたが、飛び越えたということはあれは日本向きではないんです。グアムに届くものが金正恩はほしかったんです。そしてついに完成してしまった。
 アメリカはB1Bを9月上旬に、日本海側で海の休戦ラインというのがあるんですが、その北方限界線を超えて北側の海域に入れて演習をしました。韓国の国会で、韓国の情報機関が、「アメリカのB1Bが北方限界線を超えて北に近づいた時に、北朝鮮空軍はスクランブルをかけなかった」という報告をしました。
 数日前私が、北朝鮮の内部につながる人から聞いたところによると、北の中でパニックになったそうです。レーダーで捕まえることができなかった。B1Bというのは完全なステレスではないんですが、ステレス性が強い。そして積める爆弾やミサイルの量が多い。それが北朝鮮の北方限界線を超えて飛んできたのに、分からなかった。
 金正恩は、防空司令部、北朝鮮では反航空司令部といいますが、それをどなりあげて、粛清が行われているようです。党や軍の幹部たちは、「本当にトランプは爆撃するんだろうか」と、戦々恐々となっているという状況です。
 このB1Bが5月から、確か13回くらい北の近くに行っていますが、何回かは航空自衛隊と一緒に演習をしています。安保法制がなかったら、日本は個別的自衛権しか行使しないということの中で、そういう演習がどう評価されただろうかとも思います。
 最初に戦争になったら、お互いに相手の攻撃能力を狙う。「ソウルを火の海にする」とか、「東京を火の海にする」のは後なんです。相手が自分をたたける力をまずたたくんです。だからグアムをたたく。沖縄の基地をたたくんです。それを日本のイージス艦が守ることができる。
 沖縄の基地は個別的自衛権でも守れますが、グアムも今は守ることができるようになった。小野寺防衛大臣は、「そういうこともあり得る」という話を北海道をミサイルが飛び越えた時に、まさにグアムを目標にしたミサイル発射が行われた時に言っています。
 それさえもできない状況で、何かしてくれと言えただろうか。だからといって今の状況が100%いいとは思いませんし、拉致議連の先生方が実は北朝鮮の事態だけに限って自衛隊を動かせる特措法というのを作ろうとして議論されたことも知っています。
 だから、そう簡単ではないんですが、しかし、そういうことも国会の中で、また選挙戦の中で、少し座標軸が右に来たようですから、おかしなことを言う先生たちではないような論戦ができるようになったと思いますので、真摯に、一体有事になった場合に何ができて、何ができないのかを、その場合に拉致被害者を助けられるのかを是非議論していただきたいと思います。
 もちろん戦争になったら、被害者が爆弾で殺されてしまうかもしれないということはあるわけで、そういうことも含めて、本当に緊張した状態、家族のことを考えると、こういう議論をしているだけでも色々なことを心配されるだろうなと思うんですが、しかし時間稼ぎをさせてはならないので、拓也さんがアメリカに行って制裁を強めてほしいと訴えたわけです。
 今北朝鮮で戦争が起きるかもしれないと言われている中でも、制裁を強めてほしいと当事者も言っているというのは、大変重いことだと思います。だからこそ、一緒に戦うとアメリカは思ってくれて、支持してくれているんではないかと思います。
西岡 大変厳しい、また難しい状況に今あると思いますが、「産経新聞」のワシントン駐在客員論説委員で麗澤大学の教授でもある古森義久さんがここに来てくださっていますので、今の議論を聞かれた上で、特に米朝関係がこんなに緊張している中で、そうやって拉致被害者を助けたらいいか、コメントをお願いします。


  
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