家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会98
◆日本人拉致問題の過酷さ、むごたらしさがかなり大きく伝わった
古森義久氏(国際教養大学客員教授)
日本人の拉致問題を解決するには、あくまで主権国家としての日本が独自の努力をしなければならない。これはもう大前提です。しかし、同盟国であって超大国であるアメリカが、もしかして協力してくれるかもしれない。どこまで協力してくれるかも一つの大きな要因だと思います。
その日本の拉致問題に関してのアメリカと日本の手のつなぎ具合、この日米協力に関して私自身は、ジャーナリストとして、ちょうど今から15年位前、2002年にブッシュ政権が出てきて「悪の枢軸」といい始めた頃に、最初の日本からの訪米団がワシントンにいらっしゃって、すごく寒い天候の時期だったと覚えていますが、その時には日本政府よりもブッシュ政権の方が前向きに対応してくれたということでした。
それで皆さんが帰られて、「厳しいけれども心が温まるような思いがあった」というようなことがありました。そして私の家内のスーザンが、アメリカ人弁護士として、10年ほど前から、救う会の在米アドバイザーということで協力をさせていただいています。今回の訪問でもずっと皆さんに同行し、後ろから助けるようなことをし、私も時にはジャーナリストという身分を離れて、背後から応援させていただくということもありました。
そんな立場から、今回の訪米と今の状況について申し上げると、今回の訪米団の成果というのはものすごく大きかった。結果として拉致問題解決に関する日米協力が一つの歴史だとすれば、歴史的な大きな時期を画したのではないかと思います。いらっしゃった方はみなさん謙虚な方ばかりで、あまり自分たちがやったということをおっしゃらないと思いますが、客観的に見てそういうことが言えると思います。
大きく分けて2つあります。1つは、今回の訪問でアメリカの官民、そして民主党共和党の超党派の、それも行政府やマスコミも含めて、人間の心とか気持ち、情ということで、日本人拉致問題の過酷さ、むごたらしさがかなり大きく伝わったと言えると思います。
その象徴は、トランプ大統領自身が、国連総会の場で演説をしたということです。アメリカの大統領の国連総会での演説は、世界中の演説の中でも最も視聴率が高く、注目されるものですが、そこで言ってくれた。
しかもその表現が、非常に人間的な表現で、気持ちがあふれたもので、「13歳のやさしい少女」と言った。トランプさんは、やさしいのところでスイーツという言葉を使った。
これは安倍晋三さんがトランプさんに、横田めぐみさんの悲劇について色々語っていたこと、もちろん拉致の被害者はめぐみさんだけじゃなくもっとたくさんの方が悩まれているわけですが、それがトランプ大統領自身に伝わっていた。