家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会98
◆弱みや弱音を見せれば相手の思うつぼ
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
先ほどの西岡先生の話に近いんですが、家族としての立場では、圧力が高まれば高まるほど、私の姉を初めとする被害者のリスクの確率が高くなる。その個人の立場だけで言うと、圧力を高めることは好ましくないという感情があるのは嘘ではありません。
ただ、私たち訪米団が今回もワシントンDCに着いた時に、ある記者の方から同じような質問を受け、「トランプ大統領が圧力に傾いています。皆さんとしてはどうですか」と私にマイクを向けられたので、私はその場で答えました。
「私は今もトランプ大統領の圧力を優先するアプローチに賛成しています。支持します」と言いました。個人の立場ではものすごく辛いコメントですけども、私たちが、個人の立場であれ、日本国民の一員としてであれ、弱みや弱音を見せれば相手の思うつぼなんです。その点で私は、前を向いて頑張るしかないと思っていますので、実際の交渉は日本政府に預けたいと思っています。
スネドンさんのご家族の話が色々な方からありましたが、CSIS(戦略国際問題研究所)のシンポジウムがワシントンでありました。9月13日にあり、スネドンさんのご家族とも話をさせていただきました。
その時、ご家族が発言されました。「このようなシンポジウムが開かれることはいいことだけれども、ものすごく個人的に違和感を感じる」と。それはなぜか。「相手が悪いのは分かっているのに、被害者がそこにいることも分かっているのに、核の脅威を世界が認めて分かっているのに、なぜこの現場でシンポジウムを開いて、どうすればいいのだろうというレベルの話をするのかが分からない」と。
「北朝鮮はもちろん悪いけれども、これだけ豊かな国」、アメリカや日本のことを指していると思いますが、「これだけ豊かな国の人間が何もしないことの方に非があるのではないか」と。
その通りだと思います。どこかで誰かが傍観者なのではないですかということを思います。もっと真剣に日本政府はこの問題をとらえて、具体的な歩みを進めてほしいと願うばかりです。以上です。