家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会98
◆北朝鮮は核・ミサイル開発中、今は圧力の時期
西岡力(救う会会長)
ありがとうございました。まさに嵐の中に今入ってきた。北朝鮮があと何回かミサイル実験と核実験をすると、アメリカの本土まで届く核・ミサイルができてしまう。これは、あと何年という言い方がありますが、それは正確じゃなく、あと何回実験し成功したかを見るべきだと思います。金正恩政権は、一回一回の実験の間隔が短いです。だから見通しもどんどん短くなっていきます。
核弾頭はもうできているとの見方もありますが、多数派は、「あと1回くらいは実験が必要」と。ミサイルは、火星14号は高く上げるロフテッド軌道を2回やりましたが、通常軌道で撃っていない。それをやらなければならない。それが成功すれば、アメリカ西海岸まで届く。
そして火星13号というまだ一度も撃ってないのがあるんですが、それが成功すれば東海岸まで届く。あと数回ミサイル実験が成功し、あと1回程度核実験が成功する必要があります。失敗すればまた延びるわけです。あと何年ではなく、あと何回実験が成功するか。そして実験の間隔がどんどん短くなっているのが今の現状です。
もしかしたら10月10日の党創建記念日に向けて、今日、明日ミサイル発射があるかもしれない。彼らも経済制裁が一定程度効き始めていますから、1回ごとの制裁をやられるより、続けて実験した方がいいわけです。
7月は1発目のミサイルで制裁の議論が始まったら2発目を撃たれてしまって、2発まとめて1個の制裁になってしまった。それで核実験については1週間で(制裁を)まとめたわけですが、向こうも早く完成させようとしている。
そして、これは島田さんに教えてもらったんですが、軍事緊張がどこまで高まるかの一つの指標は、アメリカの議会がトランプ大統領に軍事行動をする権限を与える決議を通すかです。まだ通っていない。イラクとの戦争の時はこの決議がありました。湾岸戦争の時にもありました。共和党は今通そうとしています。
しかし、民主党に、「トランプにそんな権限を与えてどうするんだ」と反対論があって、まだ通っていない。しかし、北朝鮮があと何回か核・ミサイル実験をする時、その決議がなされるかどうかです。少しずつ、ダンプと車かもしれませんが、まだお互いにブレーキをかけていない。民主国家ですから手続きは必要ですが、それも少しずつできつつある。
私が一番心配なのは、証拠隠滅のために殺すということさえありえるかもしれないことです。生命を奪う権限を持っている相手に対して、圧力をかけて返せと言うのは、本当に綱渡りのようなことで、政権を倒すことの方が安全に全被害者を取り戻すよりも容易だと思います。
その時に何が起きるか分からないということがありますから。しかし、圧力をかける道しかない。圧力をかけて、向こうが全被害者を返すと言ってきた時に初めて交渉が始まる。何人かと言ってくるかもしれません。それに絶対乗ってはならない。
特に、我々が「今年中に」と言っているので、「日本は焦っているだろう、外務省は何か成果を出さなければいけないと思っているだろう、じゃあもう1回ストックホルム合意に戻って人道問題から話し合いをしないか」というような裏交渉が北から今きています。
そういうことを書いたり、しゃべったりする人たちがまた出てきました。あるいは松本京子さんとされる写真が出てきましたが、そういう写真を公開してマスコミに提供する崔さんという本人は分かりませんが、その後ろに北朝鮮が意図的に、そういう情報や写真を出している可能性はかなりあると見ています。
松本さんは一番出しやすいわけです。2002年には認定されていませんでしたから、金正日が、「この人は死んだと言え」というリストに入っていなかった。そして、多分松本さんは工作機関の外にいて、一般人の生活をしているとの情報があります。秘密を知らない。