トランプ大統領面会報告と緊迫する北朝鮮情勢-東京連続集会99
◆米国は具体的な行動も、政府はこの機会を活かして
飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)
トランプ大統領は、日本の拉致問題については安倍総理を通じてかなり情報を得てはいますが、「これからどうしていくかはこれから相談しましょう」と。要するに、「この問題を解決するために、日本政府、特に安倍総理との連携を密にして、アメリカができる限りの努力をします」という約束ははっきり言っていました。
その約束が次々と出てくるわけですが、今回のテロ支援国家再指定もその一部かもしれません。そのように、具体的に動いていく様子がこのところよく感じられます。
もちろんトランプ大統領は日本の拉致問題ばかりやっているわけではないでしょうが、一連の取り組みは単なるパフォーマンスに終わるのではなく、ちゃんとフォローアップしながら具体的に日本人被害者の帰国にどう結び付けていくのか、これを具現化してほしいという話をしました。
この問題でイニシアチブを取るのは当然日本政府です。日本政府がこれをチャンスととらえて、どう北朝鮮に向かって対応していくのかというのが今後の鍵でもありますし、それがなければ単なるパフォーマンスに終わってしまう。
家族としては、そこまでちゃんとフォローアップをしていただいて、北朝鮮がどういう態度になるのかよく分かりません。想像できることはありますが、逆にリスクも感じます。
制裁、制裁。あるいはテロ支援国家。そういう締め付けの中で北朝鮮が頭に来てどんなことをやらかすか分からないという心配もあります。しかし、こういう動きがなければ何も進まないわけです。従って今回の一連の動きを大きなチャンスとして、それをテコとしてどう進めていけるか。これが大きな鍵だろうと思います。
確かに核・ミサイルは大きな問題ですが、(拉致問題は)どうしても一緒にできない、異質のものです。だから拉致問題をこれらから切り離すか、先行させるかです。その方がお互いにやりやすいのではないかと思います。
解決への実質協議ができるかどうか。そういう席にどうやって引っ張り出すのかを含めて今後の大きな課題です。制裁をやってますだけでは解決できるわけがないんです。北朝鮮を説得する場面も必要だし、強力な制裁で身動きがとれず白旗を上げてくる、こちらの要求に合わせてくる。そういう場面をどうやって作っていくのか。
安倍総理は、今は圧力ということで進めています。どういう勝算があるのか私たちには分かりませんが、今はそれしかないのかなと思います。今回のテロ支援国家再指定についてもどういう影響があるか分かりませんが、おそらく今まで以上の圧力としての効果が出てくるのではないかと思います。
従って、一連の動きは我々にとってはプラス要素だなと感じています。何も起きらない、何も動かない状況で、じっと我慢して待っていろというのは、もうあり得ない話です。
今年もあと1か月ちょっとです。「今年中の解決を」と皆さんにもお願いしてきました。それはそれで、そうした勢いでやっていこうということでしたが、今回のトランプ大統領の一連の動きで(拉致問題が)クローズアップされてきました。これはいい機会だと捕えて、私たちも今後の動きを注視していきたいと思っています。
これは私がトランプ大統領と握手している写真です。すごくやわらかい手をしているんですね。ふにゃふにゃです。しかし、顔つきは逆にそうではない。先行きどうなるか分かりませんが、これを機会ととらえて今後も頑張りたいと思います。ありがとうございました(拍手)。