トランプ大統領面会報告と緊迫する北朝鮮情勢-東京連続集会99
◆なぜ9月15日以降軍事挑発が止まったのか
西岡 力(救う会会長)
専門家の観察ポイントは、なぜ9月15日以降軍事挑発が止まったのかです。去年もミサイルを十数回撃ちました。今年もずっと撃ってきた。着々と開発をすすめてきたわけです。それなのになぜ今やめているのか。やめているということは開発が止まっているということです。もちろん、設計はしているし、色々なことをやっていると思いますが、目に見えることはまだできていない。
ここで技術的な壁があって乗り越えられないのなら、1年経っても乗り越えられないわけです。しかし、北朝鮮が言うように小型化が成功していれば、西海岸まで撃てる直前には来ている。当然日本には撃てる。沖縄もグアムも射程に入っているという状況です。
もちろん日本が射程に入っているということは日本にとって重大な問題ですが、日本にとってもアメリカ本土が射程に入るかどうかが実は重要な問題です。というのは、日本はアメリカの核の傘で守られているわけです。
北朝鮮が日本に核攻撃をしたらアメリカは同盟国として北を核で報復する。拡大抑止と言われています。こういうことで力の均衡をはかっているわけです。しかし、北朝鮮がアメリカ本土まで届く核・ミサイルを持ってしまったら、日本が攻撃された時、アメリカが報復したら、今度は北朝鮮がアメリカ本土を攻撃するおそれが出てくる。その場合、日本を守るためにアメリカが自国の都市を犠牲にするだろうかという疑問が生まれます。
フランスのド・ゴール大統領は、ソ連がアメリカ本土まで届く大陸間弾道弾を持った時に、同じ疑問を提起して独自の核武装をした。一度NATOから出て、独自にやったわけです。
イギリスはアメリカとの同盟の中でアメリカを説得して独自の核を持った。原子力潜水艦を持って、原子力潜水艦が発射できる核を持った。潜水艦は水中にいますから、潜水艦に核攻撃はできない。フランスやイギリスが荒廃してやられてしまっても報復できる。アメリカが報復しなくても、潜水艦の核は報復のためだけに持っているわけですから。
だから安心だ、と。相手は報復されることが分かっているので攻撃してこないだろうと。第二撃、反撃用に限定したものですが、そういう議論が日本でも起きざるを得なくなる。その直前まで今来ているのです。