トランプ大統領面会報告と緊迫する北朝鮮情勢-東京連続集会99
◆アメリカの心理戦が効いているかも
西岡 力(救う会会長)
アメリカは繰り返し、「核兵器をやめるという前提なら話し合いに応じる」と言っているわけです。習近平にもそういうことを言って、習近平もそれでいいと言っている。習近平は特使を派遣しましたが、金正恩は会わなかった。核兵器をやめるという交渉はまだ始まる状況ではないようです。
水面下で米朝接触は色々やっているようです。接触をして互いに腹の内を探り合っていますが、金正恩が今核をやめるということを言ってはいない。アメリカは核をやめさせることを前提とした交渉しかしないと言っている。
ある段階に来て、「アメリカまで届くミサイルを持たせないということでいい」という裏交渉が成立するかもしれないと言われていますし、「北朝鮮が何発核を持ってもアメリカの安全保障には影響がない」という人もいるし、アメリカの中でも議論がたくさんありますが、今のところトランプ大統領は公式には、「核をやめさせる」と言っていて、北朝鮮が、「アメリカに届く核・ミサイルだけは開発を中止する」と言ったとしても、北朝鮮はいつも嘘をつきますから、口で言ったことを信用できないわけです。検証しなければならない。
アメリカの保守派の中には、「中国が北を占領して中国が保証してくれるなら、北朝鮮地域を中国に渡してもいい」という議論もありますが、金正恩が「やめます」と口で言ったことを信用しようという議論はほとんどないです。
検証の問題が難しく、今はにらみ合いが続いていますが、先ほど言った、なぜ9月15日から風圧がとまっているのか。彼らは実験する必要がある。「火星14」を通常軌道で撃ちたいはずなのに、トランプ大統領が国連演説で、「北朝鮮という国はなくなる」と言ったら、「最高度の報復をする」と金正恩の名前で生命まで出しました。
「太平洋上で核実験する」と言っただけで、何もできないのは、9月23?24日のことがあった後のことではないか。心理戦が効いているのかもしれない。
もしかしたら来週にでも撃つかも分かりません。あまり断定的なことは言えませんが、少なくとも平壌がパニック状態になっていることは事実で、金正恩の近くにいる人間は、「このまま行ったらアメリカのバンカーバスターで一緒に殺されるのだったら、金正恩だけを差し出せばいいのか」、「中国もそれを支持している」ということを内部で考えさせるための心理戦なのです。