国際セミナー「緊迫する北朝鮮情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告
◆アメリカは北朝鮮崩壊、拉致被害者への対応を研究している
古森義久(ジャーナリスト、麗澤大学特別教授)
国防大学の安全保障研究所が数回に渡って、北朝鮮が崩壊した時のアメリカの対応から始まり、では日本はどう対応するかまでを研究し、その場合に日本人の拉致被害者をどうすればいいのかということまで、かなり具体的なことを論じているわけです。
そうすると、これは2011年の研究ですが、国防大学の報告書にはっきり銘記されていますが、「金正恩政権が崩壊して、もしアメリカ軍が入っていった場合に、日本は間違いなく日本人拉致被害者の救出を米軍に求めるだろう。米軍は多分その余裕がないと断るかもしれない。断った場合の日本側の反発は大変なものがあるだろう。だからこれに対して、こういうことまで考えておかなければいけない」というようなことを、2011年、今から6年も前に極めて明確な形で触れているんですね。