国際セミナー「緊迫する北朝鮮情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告
◆2つの条件がそろった時、交渉による救出が可能になる
西岡 力(救う会会長)
私は27、8年前からずっと拉致問題を研究し、また救出の方法を考えてきました。そういう観点からすると今、チャンスが来ていると思っています。
私が全国で講演をする時によく言っていたのは、家族会・救う会の運動方針にずっと書いてきたのは、被害者救出には3つの条件があるということです。
第1は国際情勢です。北朝鮮が日本に接近せざるを得ない状況になることです。
第2は日本の体制です。日本政府が全員救出する体制をとることです。
この2つがそろった時、交渉による救出が可能になります。しかし、交渉による救出は、北朝鮮の政権が崩壊する前しか成り立ちません。我々には政権を崩壊させる力はないかもしれないが、突発事態はいつでも起こり得る。
第3は、崩壊した時の備えを静かに準備しておくことです。
もちろん崩壊した後助け出すのは危険が大きすぎるので、できれば崩壊する前に話し合いで取り返すことが望ましいが、我々だけが国際情勢を支配しているわけではなく、北朝鮮の内政を支配しているわけではないので、備えもしておかなければならない。
国際情勢と日本の体制と崩壊に備えること、この3つが条件だと言ってきました。