国際セミナー「緊迫する北朝鮮情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告
島田 今の趙甲済さんと古森さんの話を踏まえて西岡さんどうですか。
◆米軍の対北心理戦が続行されている
西岡 力(救う会会長)
北朝鮮とアメリカの関係の現段階は、先ほど趙先生は「核除去かあるいは抑止か。核除去には軍事攻撃以外にない」とおっしゃりながら、しかし3つ目として、金正恩が外部で除去される可能性についておっしゃいました。
私はこの3つ目の、金正恩が外部で除去されることを通じてアメリカは核除去を狙っていると思います。それが心理戦です。すでに米軍は5030という心理戦の作戦計画を2000年代に作っています。
50というのは米太平洋軍ですが、次に2で始まるのが米韓軍の作戦計画で、3で始まるのが米軍だけの作戦計画です。北朝鮮の内部矛盾を高めて政権を崩壊させる。それは攻撃ではない手段で。そういうことで偽札や麻薬などをやっています。
奄美沖に工作船が来た時に、これは私は確実な情報として聞いているんですが、第1報は米軍から来ました。「毎回教えてくれるんですか」と聞くと、そうではないと。アメリカの軍事衛星で、キューバからカリブ海に麻薬を運んでいるのは全部分かりますよ、と。しかし、衛星は犯罪取り締まりには使わないそうです。
しかし、5030作戦計画の枠内ならば使うことがあるということがその時、分かりました。その時ステルス戦闘機が平壌上空まで行っています。これは米軍の新聞に、ステルス戦闘機のパイロットが、「私にとって一番重いのがその作戦だった」と言っています。
それ以外にも、5030について解説をしてくれた海軍情報筋も言っていましたので確実です。だから金正恩は、「今も来ているのではないか」と思っています。それは5030で、2000年代よりももっと強いことをアメリカが、軍だけでなく国家レベルやっているということです。