国際セミナー「緊迫する北朝鮮情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告
◆中国も北朝鮮に対して強い圧力
西岡 力(救う会会長)
そして中国は今金正恩を支持はしていません。金正恩に対して強い圧力をかけている。国際社会が中国も集中して圧力をかけている。労働党の幹部たちも巻き添えにされたくないし、北朝鮮の住民たちもいつまで飯を食っていけるかが大事で、金正恩が何発核を持っているかを誇れない。
もう一つ言いたいのは、日本ではよく、「圧力をかけると崩壊する、戦争になる」と言いますが、反対です。戦前の日本とは違います。みんな愛国心があって、国のためにと思っている人はいないんです。金正恩も愛国心はない。自分だけを愛していますから、自分と家族を守ることを第一に考えている。
幹部たちは「金正恩の巻き添えになりたくない」と考えています。中堅幹部たちは「出世しない方がいい」と考えています。外貨を持っておこうと考えているんです。治安機関の政治警察や一般警察の人間は、適当に取り締まりをしておかないと、体制が倒れた時にリンチにあうと恐れている。
人民たちは配給が20年前から途絶えているんですが、それでいい。みんな自分で飯を食っている。追い詰められたら一緒に闘おうとか、国体を守ろうとかはないんです。後ろから撃たれるから「万歳」と言っているだけですから。だから心理戦と経済政策が効くんです。それがこの9月から本格化した。