国際セミナー「緊迫する北朝鮮情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告
◆金正恩政権崩壊に役割を果たさなければ韓国に発言権もない
趙甲済(ジャーナリスト、韓国)
そのような状況の中で、つまり金正恩政権が崩壊するか、崩壊のプロセスになっている時に、韓国が憲法の規定だけを根拠にして発言権を持つだろうかということについては、私は疑問に思います。金正恩を崩壊させるに当たって、韓国が何の役割も果たさないでいながら、憲法に規定があるからといって、そこで主権を主張するということは、ほとんど影響力が弱いのではないかと思います。
そうであれば、自国民を救出するために日本が北朝鮮地域で軍事力を行使することを阻止する力もないし、権利もないと思います。拉致問題を初めとする北の人権問題、あるいは核問題を解決する一番いい方法は、西岡先生がお話されたように、北朝鮮に対する圧力ではなくて、金正恩個人に対して圧力を集中する方法だと思います。
北朝鮮の政権は外から見ると分かりませんが、実は多くの衝撃があればすぐ壊れてしまうような、かかしのような政権だと思います。私はソウルに住んでいますが、トランプ大統領が北朝鮮を爆撃して、北朝鮮が長距離砲でソウルを攻撃したとしても、大きな被害はでないと思います。
長距離砲などを撃ち始めて数時間以内に、北朝鮮にある長距離砲やロケット砲はすべて攻撃されているだろうと思います。問題は核でソウルを攻撃する可能性ですが、確実なことは、もしも核を使ったら金正恩も北の体制も消滅するということです。