救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー「緊迫する北朝鮮情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告



◆既に北朝鮮の内部矛盾は高まっている

西岡 力(救う会会長)
 それはだめだ。制裁を強めて、圧力を強めて、核を全廃し、拉致被害者を返しなさいという主張を下げない。それを続けていくと、北朝鮮が弱い立場で交渉に臨んでくる。こちらが圧力をかけながら、向こうが望むことを待つという戦略が効果を上げる時が近づいている。
 一つだけ例を申し上げると、最近の韓国の国会で、国情院が報告したところによると、最近黄炳瑞という軍総政治局長と金元弘という元国家保衛部長で今軍の第一組織部長という軍の幹部二人が、党の組織指導部から処分を受けています。韓国のヒューミントによる正しい情報だと思います。
 「朝鮮日報」が数日後にその内幕を書きました。私は確認していませんが、その報道はかなり信憑性があると思っています。その理由は、国連制裁の結果、軍が持っていた石炭の輸出や水産物の輸出ができなくなったことです。
 国家から軍に対してお金は来ないのです。お金が来ているのは核・ミサイル開発部門だけです。通常の軍には来ないし、通常の兵器工場も今動いていない。それで自分たちが水産物を売ったり、石炭や鉄鉱石を売ったりしていたのです。外貨を稼いで兵士に食べさせ、将軍たちの年金も自分たちで払うんです。それができなくなった。
 党になんとかしてくれと言ったら、お前たちは自力更生精神が足りない。金正恩元帥様が中央委員会で言った併進路線を知らないのか。核と経済を併進させる。制裁の中でも、自力更生で経済開発をすると言っているのに、制裁で苦しい、何とかしてくれと言われて、軍のトップが切られた。
 この軍のトップというのは、党の組織指導部出身の人たちです。張成沢(チャン・ソンテク)を殺した勢力です。ここが今分裂し始めた。それも中国に石炭や鉄鉱石が売れなくなったということで、すぐにこういうことが起きています。我々が見るよりも内部矛盾が高まっているのではないか。


  
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