家族会・救う会の「今後の運動方針」と北朝鮮情勢-東京連続集会100
◆見返り条件を提示する実質的協議を
西岡力(救う会会長)
そしてこれは主権侵害の問題であり、人権侵害の重大な問題ですから、政府に被害者を助ける一次的な責任があるということで、「政府に今年中の全被害者救出を再度求める!」としました。
政府の中にも拉致対策本部があり、拉致担当大臣がいる体制ができたわけです。認定被害者が拉致されて40年間経ちました。その内30年間はその体制さえなかった。小泉訪朝の時でもその体制はできなかったのですが、第一次安倍政権になって、やっとそれができた。
それも手を放さなかったからできたことだと私たちは思っていますが、しかしそれでも10年経って、11年目になってもまだ助けることができていない。拉致対策本部ができた後、助けられた人はいません。
そういう状況の中で、政府に「今年中」ということを再度求めると書きました。「我々は以下の2点を強く求めていく」ということで、「金正恩は、全ての拉致被害者を一刻も早く帰国させよ!」としました。これは何回も言ってきたことです。2つ目に、「日本政府は、引き続き拉致問題解決を最優先とし、報告書受領ではなく、拉致被害者帰国のための見返り条件を提示する実質的協議を北朝鮮と行え!」としました。
全員帰ってくるということであれば、「見返り」を使ってもいいとしました。交渉を始めることで見返りを与えるのはナンセンスで、今までそれでずっと騙されてきました。
しかし、「全員返す」という決断を向こうがした時、その条件を話し合うことはできる。拉致を理由とした制裁を下すこともできる。機密暴露が嫌であれば、帰って来た後被害者が家族とともに静かに暮らすことを政府が約束してもいい。そういう条件の話し合いをすることが実質的協議です。