家族会・救う会の「今後の運動方針」と北朝鮮情勢-東京連続集会100
◆ガソリンの値段が急騰
西岡力(救う会会長)
今、北朝鮮の国内でガソリンの値段が急騰しています。前の2.5倍。ガソリンスタンドでは一般の人に売らなくなった。党の幹部とか、政治警察等以外は売ってくれない状況だそうです。
9月に制裁が決まった後、ガソリンは200万バレルだったのですが、12月の制裁で50万バレルになった。丹東という中国の北朝鮮との国境の都市があります。北朝鮮の新義州と橋でつながっています。9月以前はだいたい1日に250台から300台くらい北朝鮮からトラックが来ていた。
ところが9月の制裁の後は100台になった。その内50台は空荷だそうです。つまり輸出できない。持って来ても買ってくれない。来たらすぐガソリンスタンドで満タンにしている。ガソリンがぎりぎりで来るのもいて、途中でエンストを起こして手で押してくる目撃情報があります。
平昌(ピョンチャン)に万景峰号が来て、ガソリンをくれと言った。新潟まで来ていた船ですよ。それが平昌まで来てガソリンがない。あるいは韓国から貰おうと思ったのかもしれない。韓国も出そうとしたけど、北朝鮮側が言う量があまりにも多いから話がまとまらず、怒って万景峰号は帰ったそうです。
たぶん空に近い状態できて、満タンにしてもらおうと思ったのではないかと想像していますが、そうすると国連制裁にひっかかるのではないか。選手や応援団については便宜供与すると思いますが、必要な量よりもっと多くを求められたら制裁違反になりかねないのでうまくいかなかったのではないかと思います。
とくかくガソリンがない。ガソリンがないと、戦車も飛行機も動かない。2月8日に、平昌オリンピックの1日前に軍事パレードがありましたが、惠谷治さんの分析では、去年の軍事パレードに比べて、人は多かったけど車両が少なかった。人はガソリンをくわないですから。去年は3時間やったけど、今年は1時間半だった。
最近私はソウルに行って、中国関係者筋から聞いた話では、中国はパイプラインで年間50万トンくらいの原油を出していたが、今年は35万トンにするそうです。50万トン出してもいのに、制裁以上のことをしている。
中国が出す原油は一番質が悪いものを出しています。その原油を精製すると、歩留まりが悪いそうです。30万トンがそのまま石油製品にはならないわけです。27万トンくらいになる。
ガソリン不足は深刻で、今年1月に、すべての海外貿易部門に、ガソリンをなんとかして買ってこいという命令が下ったそうです。その一部が密輸をしているわけです。これまでは小船で運ぶのが多かったそうですが、中国当局も今は厳しく取り締まっているようです。中国も今は制裁を守っている。
外貨収入の9割が亡くなり、ガソリンの9割が入ってこなくなる。密輸するにしても外貨がないと買えない。
最近「ボイス・オブ・アメリカ」という米ラジオが報道したのですが、「中国の関係者に言わせると、北朝鮮人が最近来て、39号室資金が足りなくなっている」そうです。