家族会・救う会の「今後の運動方針」と北朝鮮情勢-東京連続集会100
◆核問題に一言も触れず文在寅政権は五輪で北朝鮮を歓迎
西岡力(救う会会長)
そういう緊張関係の中で去年の12月に金正恩指導部は、平昌に行くこととし、平昌を利用して文在寅を平壌に呼ぶという方針を決めたという複数の情報があります。その背景が、今行った経済制裁と軍事圧力です。総理もそれは、「想定内」と言っています。
では平昌で何が起きたのか。今朝の「産経新聞」に私が書いた「正論」のコピーをお配りしていますが、韓国のマスコミは金与正(キム・ヨジョン)ブームでした。
「おとぎの国から王女さまが来て平和がやってきた」かのような雰囲気でした。王女様と美女軍団が来た。しかし、ある私の友人の言論人は、「金日成の直系家族が初めて韓国に来た」とか「白頭山の血筋」と騒いでいるが、修飾語をつけるのなら、「朝鮮戦争を起こした戦犯、金日成の孫」で、「ソウル五輪を妨害しようと航空機テロを起こして115人を殺し、核開発を優先して北朝鮮住民300万人を餓死させたテロリストで虐殺犯、金正日の娘」で、「国連が人類の敵と規定した金正恩の妹」だという修飾語をつけるべきだ、と。韓国のマスコミはおかしいと言っていました。
しかし、「文大統領は忙しい日程の中」、アメリカの副大統領や安倍総理以外にも色々な首脳が来ていた訳です。ドイツの大統領とか。しかし、「金与正特使と4回会」いました。「1回午餐会を主催した」。それだけじゃなく、首相、統一部長官、大統領秘書室長が最高級のホテルでそれぞれ食事会をしました。
2日目には統一部長官がフランス料理で接待したのですが、韓国の新聞によると、フランス料理のレストランと、別の一流ホテルの韓国料理のレストランの二つを押さえていて、意向を聞いて、「フランス料理がいい」と言ったからそれにして、押さえていた韓国レストランにはキャンセル料を払ったそうです。安倍総理とは首脳会談と開会式行事で会っただけで、食事会はなかった。そういうもてなし方だった。
合計10時間も一緒にいたのに、核問題を一度も言わなかった。ペンス副大統領や安倍総理と会った時は、「核問題の解決のために韓国も努力をする」、「そのためにはアメリカと北朝鮮の交渉が必要だ」、「この平和的な雰囲気を交渉に持っていきたい」と言っているわけです。
そもそも北朝鮮の代表と10時間も一緒にいて、金正恩のメッセージだとして「平壌に来てください」と言われたら、「その条件は核をやめることだ」と言えばいいのに、言ってない。これは韓国政府の公式なコメントです。だから機嫌よく帰って行った。金正恩も報告を受けて、妹と手をつないで写真を撮っていました。「韓国側が大変配慮してくれて感謝している」と言っている。
それは北朝鮮が何か政策を変えたからではなく、韓国側は政策の要求を降ろしたからなごやかな対話ができたのです。安倍総理が言っている、「圧力をかけて政策を変えさせる」という路線からすると、全くそれに反することが行われた。
安倍総理も我々も、「対話をしたい」、「実質的協議をしたい」と言っているんですが、その前提は北朝鮮が政策を変えるということです。「めぐみさんたちがは死んだ」と言っていることを取り下げて、「生きているから返す」ということなんです。それをしないで仲良くした。