政府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会報告
◆国際的な圧力の結果、北朝鮮の側から対話を求めてきた
安倍晋三(内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長)
皆様こんにちは。国民大集会の開催に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
今、北朝鮮の側から対話を求める動きがあります。これはまさに、わが国が米韓両国と協力し、そして中国やロシアなど関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して最大限の圧力をかけてきた成果でもあります。
同時に米国は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」という姿勢で北朝鮮に対してあらゆる手段を用いて圧力をかけてきた。日米が連携してそうした圧力をかけてきた成果であろうと思います。
経済制裁をし、そして抜け道は許さないとの確固たる決意で、我々は国際社会をリードしてきました。
今般北朝鮮は核実験とICBMを停止し、そして核実験場を廃棄する旨を発表しましたが、大切なことは、これが核兵器を含むすべての大量破壊兵器、あらゆる弾道ミサイルの、完全で検証可能でかつ不可逆的な廃棄に向けた具体的な行動につながっていくことです。
そして政府の基本方針には変更はありません。引き続き、核・ミサイル開発の動向について重大な関心を持って情報収集・分析を行い、注視していきます。
この次は南北首脳会談、その次には史上初めての米朝首脳会談が予定されています。これらの首脳会談を契機に、日本としては何よりも大切な拉致問題を前に進めていくよう全力を尽くす。そういう局面に来ていると思います。
3月30日に、拉致被害者ご家族の皆様と面会させていただき、現下の情勢を千載一遇のチャンスとして、何としてでもすべての拉致被害者の一日も早い帰国実現につなげてほしいとの切実な思いを、直接うかがいました。
そして本日もこの集会に先立ち、先ほどご家族の皆様と懇談をし、皆様から切実な声をうかがいました。皆様とともに、この問題について全力で取り組んでいかなければならない。またその時を迎えているという気持ちを同じくさせていただきました。