訪米報告と米朝首脳会談?東京連続集会101
◆米朝交渉で金正恩に読ませるパネルを託した
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
そしてポッティンジャーさんと会いました。私たちが去年9月に会った時にはNSCの上級部長だったのですが、今の肩書は次席大統領補佐官で、格上げになっています。つまりトランプ大統領とさらに情報交換する頻度、密度が高いということです。
米朝会談前ということで、お忙しい時期でしたが、会った時にはもう私たちのことを全員顔を覚えていてくださり、本当に強い握手で迎えてくださいました。そして私たちの話を全部聞く前から知っているというようなことをお話されていました。今回の訪米でこの方には絶対につながなければいけないと、行く前から考えていました。
また、こういうパネルを作りました。左側に横田めぐみが拉致される1年前の日本海を眺めている幸せな家族の写真です。右側は、田口八重子さんと1歳の耕一郎君が写っている幸せそうな写真です。そして英語で幸せな時間ですよということを書いてあります。
さらにその下に、私の方は「大切な姉を返せ!」と、耕一郎君は「母に会いたいから返せ!」と日本語で直筆で書いて、そして西岡先生に朝鮮語に翻訳していただいて、他にもこの二人以外に多くの被害者がいて解決されなければならないとあります。
これをポッティンジャー補佐官に渡して、日本が作ったものだから米朝会談で使えるものかどうか分からないが、是非使ってもらって金正恩につきつけてくれ、と。朝鮮語でも書いたのはそういうわけなんです。「日本で書いても英語で書いても読めません、分かりません」と言いかねないので、朝鮮語でその場で読んでもらって否定できないようにするために、こういうツールを作ってお預けしました。
実際にこれをアメリカが使ってくださるかどうか分かりませんが、こういうことをしたことでポッティンジャー補佐官には十分私たちの意図が分かってくれたのではないかと思います。
活動報告は議員の先生方がお話されましたので、今の状況だけ言いますと、昨日、今日ぐらいから北朝鮮が南北会談、米朝会談に対して懐疑的な物言いをつけているということですが、私個人としては何も驚いていません。
4月22日の国民大集会でも同じことを言いましたが、宥和的ないい顔をしてすぐに交渉のテーブルを蹴りますよということをお話しましたが、また過去の常套手段を繰り返しています。何の驚きもないです。
ただ1点だけ違うのは、北朝鮮がここで同じようなことを繰り返せば、間違いなく明るい未来は描けない。アメリカの高官が昔言っていましたが、ここで一歩間違えれば、サージカル・ストライク、外科的措置を被る可能性があるということ。それを金正恩は真剣に考えて、またとないチャンスをいい方向に変えて、安全保障問題の解決、人権問題の解決、拉致問題の解決、そして北朝鮮国民の平和を、彼がリーダーである以上は牽引しなければならない責任があると思っています。
それが最後のチャンス。私たち被害者家族もほぼ最後のチャンスに近いと思いますが、彼自身にとっても最後のチャンスであるということを認識しなくてはいけないと考えています。