救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

訪米報告と米朝首脳会談?東京連続集会101



◆北朝鮮の「悪魔のパターン」

古森義久(ジャーナリスト)
 次に今の状況ですが、北朝鮮がこういう時どういう言動をとるか。一種のパターンがあります。拉致問題に協力してくれるアメリカ人で北朝鮮の専門家のチャック・ダウン図という人がいて、アメリカを代表して北朝鮮と水面下の交渉をやった人です。
 この人が北朝鮮の交渉をさんざん見てきて、「北朝鮮の交渉術」という本を書いています。この中で彼が言っているのは2つ。奇しくも今の状況に当てはまるなと思いますが、1つは、彼が言う「悪魔のパターン」というのがあって、北朝鮮は交渉する相手に対してまず楽観させる。その次に、「えっ」というようなことをやって幻滅させる。そこからずるずると時間をかけて失望させる。そしてやがては、もっといいことがあるんじゃないかなと思わせて楽観させる。
 楽観→幻滅→失望→楽観を繰り返すそうです。今は楽観か、もしかしたら幻滅に変わる最初の頃かもしれない。
 もう一つの手口は、北朝鮮は大きな公式の会談があるぞというと、必ずその直前のプロセスで色々な工作をして、自分たちに有利な状況を獲得しようとする。事前工作の謀略です。
 例えば今のマスコミの報道を見ても、「米朝関係筋」とか、正体不明の情報源を根拠として、「北朝鮮は既に自国の核兵器の全廃を、アメリカが求める通りの方式で行うことに同意した」という情報を流す。
 ところが何日かするとすれとまた違うことが出てくる。揺さぶりが大きくなる。我々が気をつけなければならないことがたくさんあるんですが、一つは言葉の使い方の操作が上手です。
 彼らが言うところの、「朝鮮半島の非核化」、これを受け入れたと南北首脳会談等で言っています。文在寅が金正恩に言ったとか。そうすると北朝鮮が自分の核の全廃に合意したのかというと、それは違うんです。
 アメリカや日本が求めるのは「北朝鮮の非核化」なんです。「朝鮮半島の非核化」と「北朝鮮の非核化」は全然違う。「朝鮮半島の非核化」には韓国も入っている。韓国の領土内には今核兵器はありません。かつてアメリカが戦術核兵器を配備していた時期があります。それよりもっと大きな要素として、アメリカと韓国は同盟国ですから核抑止がある。アメリカの核兵器によって最悪の事態、核が軍事衝突に持ち込まれるような状態、あるいは相手が「核兵器を使うぞ」と威嚇したような場合には、アメリカが核兵器を使用することができる。これを「拡大抑止」と言っています。核の傘です。
 実は日本も核の傘に一応入っているんです。これが本当に危険な時に、本当に機能するのかということが別の議論としてあるんですが、米韓同盟があって、在韓米軍があり、最悪の場合にはアメリカの核が使われる。
 ところで北朝鮮は、金正恩のおじいさんの時代から、「朝鮮半島非核化」という時は、米韓同盟における在韓米軍の核抑止、これを廃止すべきと言ってきている。これは当然アメリカとしては受け入れられない。


  
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