米朝協議と拉致問題?東京連続集会102
西岡 島田さんにもう一つ。シンガポール会談でトランプと金正恩の間でどんな話があったのか。あまり表に出てきてないわけですが、安倍総理は聞いているようです。アメリカのメディアが最近報道しているようですが、それを少し。
◆金正恩はトランプに、「本当に非核化するから信用してほしい」と
島田洋一(救う会副会長)
当日の会談の内情に通じている匿名希望の政府高官の話ということでアメリカで色々出ています。とにかく金正恩は、「本当に非核化するから信用してほしい」と、そういう言い方を何度もしたと言います。
だから細かなことや条件闘争ではなく、「本当にやる気ですから信用してほしい」という言い方でだまそうとしてくるわけですが、トランプとしては、「じゃあ見せてもらうよ」というこで、その場は友好ムードだったわけです。
もう一つ。アメリカの場合は決して一枚岩ではないのですが、ボルトンのような人が政権中枢に入っているというのは我々にとっては心強いですが、国務省あたりは伝統的に宥和派で、国務省の人間は9割以上が民主党員です。常に妥協に走りがちな体質があります。
だからボルトンは言っていますが、「国務省が死んでも守りたいのは国益ではなく交渉の継続だ」と。確かにそう言わざるを得ない面があるんですね。ブッシュ政権の時も、途中まで金融制裁をやったりしました。これはボルトンやロバート・ジョゼフという人たちが国務省を押し返して実行させたわけですが、最後の2006年の中間選挙は、イラン・イラク戦争が泥沼化になって共和党が負けた。ブッシュも自信をなくして強硬派が次々に、ラムズフェルド国防長官やボルトンなどが政権を去った。
そうなると、ボルトンの言い方によると、アメリカンフットボールで、ディフェンスラインを必死に押し返していたが、どんどんディフェンスの柱が抜けていって、国務省は個々の人間は弱いけど数の勢いでやられちゃった。そして宥和政策になった、と。
今の国務省の状況がそういう意味で大事なんですが、アジア・太平洋担当の国務次官補、この人が北朝鮮担当の中心になるんです。日本の外務省で言うと、アジア・大洋州局長に相当します。あるいはもっと大きな責任をまかされることもあります。
ブッシュ政権の末期には、キム・ジョンヒルと言われた、クリストファー・ヒルがその地位にいました。これが今は空席なんです。スーザン・ソーントンという国務省生え抜きの女性をトランプがいやいや指名した。ティラーソン前国務長官が省内宥和を考えてソーントンを次官補にしてほしい、と。
そして色々な人事の取引きがあった。それでトランプがしょうがないなということで一応指名した。これは上院の承認が必要な人事です。