全拉致被害者の即時一括帰国を!国民大集会報告
◆情勢変化のタイミングを捕えて日本が主体的に解決を
竹内譲(公明党拉致問題対策委員長、衆議院議員)
皆様、こんにちは。これまで5名の拉致被害者の方々とそのご家族が帰国されたものの、まだ全員の帰国が実現できず、痛恨の念にたえません。
ご承知の通り、北朝鮮は昨年、6回目の核実験と多くの弾道ミサイルを発射し、国際社会の平和と安全を脅かしてきました。ところが本年に入り、ご承知の通り突如対話路線に転じて、歴史的な米朝首脳会談等国際社会に対する融和を演じ始めました。
一連の首脳会談において、金委員長が非核化への意思を示したことは第一歩と評価されるものの、現時点では依然として駆け引きが続いているだけで具体的な行動はなく、核・ミサイル技術が温存されたまま北朝鮮の脅威は変わっていません。
北朝鮮の非核化に向けた具体的な行動を引き出していくためには、韓国、米国を初め、中国、ロシアとも協力しながら、国際社会が一体となって国連安保理決議に基づく厳しい制裁措置を厳格に実施していく必要があります。いわゆる洋上における制裁のがれ、瀬取りに対しても同様の厳しい対応が必要です。
さて、昨年トランプ大統領と拉致被害者ご家族との面会が実現しました。その際大統領は、拉致被害者ご家族の話に真剣に耳を傾けた上で、拉致問題の早期解決に向けて一層の協力を約束してくれました。
その言葉通り、米朝首脳会談では大統領から拉致問題が提起されましたが、その後も北朝鮮は、「拉致問題は解決済」との主張を繰り返している始末です。そうこうする中、ホワイトハウスから金委員長宛の親書を通じて2回目の首脳会談の要請があり、既に調整中である旨の発言がありました。また先週は平壌で、3回目の南北首脳会談が行われ、事態が再び動き出そうとしています。
この大きな流れを拉致解決の最大のチャンスと捕えて、我々はすべての拉致被害者を取り戻すべく、全力で取り組んでいかなければなりません。そのためには、日本は外交を大きく動かしチャンスを引き寄せる必要があります。
この度も米中間の貿易戦争を踏まえ、我が党の山口代表が訪中し、安倍総理と習近平国家主席との会談が実現。その結果日中関係改善の流れが確実なものとなってきました。これは中朝の関係にくさびを打ち込むことにもなります。
またロシアとの共同経済活動や北方領土の問題も、視点を変えれば北朝鮮問題を瓦解する糸口になる可能性をはらんでいます。これらの大きな情勢変化のタイミングを捕えて日本が北朝鮮と直接向き合い、主体的に解決していかなければならないと公明党も考えています。
公明党は与党の一翼を担う立場としても、これからも拉致被害者家族の皆様と心を一つにしながら、拉致問題の全面解決に向けて全力を尽くしていく決意を申し上げ、党としてのご挨拶とします。頑張りましょう。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 竹内さん、ありがとうございました。次に、日本維新の会拉致対策本部事務局次長の高木かおりさんにお願いします(拍手)。