全拉致被害者の即時一括帰国を!国民大集会報告
◆特定失踪者についても理解してほしい
大澤昭一(特定失踪者家族会会長)
皆さん、こんにちは。私の弟は44年前、佐渡の新穂で失踪しました。弟の拉致の状況は、全く拉致被害者と同様で、当時から拉致に間違いないと言われながら、今日まで認定されていません。
今回、私たち特定失踪者家族会は10家族で参加していますが、この人たちも皆ほとんど拉致被害者と同じような状態で行方不明になっています。しかし、残念ながら認定はされていません。
この家族の人たちは皆各々で運動を続けてきましたが、一向に世間では認められませんでした。それで私たちも、昨年5月に特定失踪者家族会を結成し、現在65家族71名で運動をしています。
私は新潟県在住で、新潟県内の集会には、横田さん、蓮池さん、曽我さんと一緒に、特定失踪者家族として呼んでいただき、特定失踪者とは拉致の疑いのある行方不明者で、家族は救出のために運動を続けているとの理解をいただいています。県内で署名等のお願いの際には、多くの皆様より支援をいただいてきました。
しかし一方で、「特定失踪者とは何だ」、「拉致被害者は17人以外にもいるのか」と言われます。各県で開かれる拉致の集会の場でも、特定失踪者については発言の場もなく、ただ認知もしてもらえない状況でした。
この状況を打破するために、世界中の人たちに日本人拉致の現状を理解してもらうべく、本年1月オランダのハーグで、国際刑事裁判所に、日本人拉致は17人だけでなく警察庁調査で880人、調査会調査で540人、国連の調査でも100人に拉致の可能性があると言われています。
私たちは多くの人の名簿を携えて、この人たちの救出を裁判所に申し立てしました。告発は裁判所の発足及び日本の加盟が2007年のため、それ以前の事例には関与できないと、受理はされませんでした。
しかしその時作成した、昭和30年からの発生年順で、年齢、県別、現場別の記載された名簿を全国都道府県知事及び議員連盟、関係各所に配布して状況の把握をお願いしています。
ここにきて私たち特定失踪者家族会がちょっと理解されたとみえて、大阪府がまず理解を示してくださり、来年1月に大阪で開催する集会では、特定失踪者家族会にも発言の機会をいただき、大阪在住の家族には会場で長年の思いを叫んでもらいます。
本当に私たちが今一番望んでいるのは、特定失踪者について皆様から理解してもらうことです。本日会場に参加の皆さんも、特定失踪者を理解され、各地の集会等でも地元の特定失踪者家族にも呼びかけていただき、今後救出につながっていけるようお願いいたします。
今も北朝鮮には、帰国を夢見て耐え続けている日本人が数十人いると言われています。被害者家族以外の特定失踪者も必死に暮らしています。この長年頑張った彼らの安否状況を一刻も早く集めていただき、私たち家族会にも説明をいただきたいと思います。
私たち家族会は昨年来総理に面会を要請していますが、まだ実現はされていません。しかし、拉致問題の解決は安倍総理の責務だと思いますし、安倍総理にしか解決はできません。
私たちも総理の、「認定未認定に関わらずすべての日本人が帰るまでは拉致問題の解決はない」との言葉を信じます。また先般来、米韓、米朝と動きが出てきました。今後はあの国との交渉です。難関が予想されますが、機会を逃さず、また騙されることなく、慎重に、強い交渉を進めてください。
救出に当たっては、拉致被害者、特定失踪者一緒に、生存している日本人すべてを見捨てることなく、一人からでも、一人でも多く、一刻も早く連れ戻してください。私たち特定失踪者家族の願いです。
多くの日本人の帰国があれば、すべての日本人が喜んでくれます。家族も被害者も、残された時間は多くはありません。私たち特定失踪者家族にももう1回抱き合う場面を作ってください。
今後特定失踪者について皆様のご理解をお願いいたします。本日はありがとうございました(拍手)。
竹下珠路(特定失踪者、古川了子さん姉、特定失踪者家族会事務局長)
今日、特定失踪者という名前にくちびるをかみしめながら、拉致被害者を、自分たちの家族を、一日も早く取り戻したいという思いは同じであると、そういう家族が集まりましたので、紹介をさせていただきます(拍手)。年代の古い順に紹介させていただきます。
昭和36年12月に神奈川県から失踪した斉藤正治の弟、斉藤良司さん、(拍手、以下略)、
昭和47年11月に東京都から失踪した生島孝子の姉、生島馨子さん、
昭和49年2月に新潟県から失踪した大澤孝司の兄、大澤昭一さん、
昭和51年2月に埼玉県から失踪した藤田進の弟、藤田隆司さん、
昭和59年6月に山梨県から失踪した山本美保の妹、森本美砂さん、
昭和60年12月に兵庫県から失踪した秋田美輪の姉、吉見美保さん、
昭和62年11月に埼玉県から失踪した佐々木正和の姉、佐々木美智子さん、
平成3年4月に埼玉県から失踪した佐々木悦子の母、佐々木アイ子さん、
平成7年3月に大阪府から失踪した植村留美の父、植村照光さん、母、植村光子さん、
そして昭和48年7月に千葉県から失踪した古川了子の姉竹下珠路です。
宜しくお願いいたします(拍手)。
櫻井 では次に特定失踪者問題調査会代表の荒木和博さんからお話をうかがいたいと思います(拍手)。