拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆金正恩は米、中、韓と首脳会談をすれば制裁が解除すると思っていた
西岡力(司会、救う会会長)
しかし飢えている人が増えているのは、みんな商売で食べているんですが、北朝鮮から売るものがなくなったからです。中国に売って、もらう金がなくなっている。人民元がなくなっているんです。そして北朝鮮は今貧富の差が激しいですから、飢える人が出てくる。それは今も続いている。
それで金正恩はまず、平昌オリンピックに妹を送り、そして文在寅と会い、そして6月にトランプ大統領と会った。実はその後、韓国や中国、あるいはアメリカが制裁を解いて経済がうまくいくと思っていたんです。
9月9日の建国節、建国70周年には何か大々的な贈り物をしようと思っていた。一部で言われたのは、平壌や一部の都市で配給を復活しようとしていた。主食を市場で買わなくても食えるようにしようと、金正恩は考えていたようですが失敗した。できなかった。
それで「自力更生」と言っているんです。予備を探せ、と。そして悪いことに今年は凶作だった。夏に雨が降らなかった。米もトウモロコシも悪いようです。兵隊も食わせなければなりませんから、今協同農場の水田とか畑にそれぞれの部隊が入っている。ここの収穫はお前たちのものだ、と。すると兵隊が来てそこを守る。
それまでは農民が収穫作業の前に一部を持って来て隠していた。それで食っていたわけです。それをさせないで軍隊が守っている。ここのものは俺たち部隊のものだ、と。農民が食えないというようなことが、多分この冬起きるのではないか。そして飢えから降りてくるのは、「自力更生、自給自足だ」と。
トランプ大統領と会ったり、中国と会ったり、文在寅大統領はこの間平壌に行きましたね。特に文大統領の平壌訪問については、北朝鮮で大歓迎された。それで、「これで南から援助が来るんじゃないか」と、みんな期待値が上がっているそうです。
しかし、こういう政治学習では、「期待するな」と。「平和攻勢は政治攻勢で、核は止めないんだ」と。「人民を餓死させてまで造った核をなぜやめるのか。核をやめたらアメリカが資本主義を導入して、我々は亡びる」。そういう政治学習をやっています。そして「経済は自力更生だ、自給自足でやる」。
でも一部の人民たちは、「何言っているんだ。アメリカに対し使いもしない核を持っていたってだめじゃないか。核を捨てて援助をもらおう」という人が出てきた。その取り締まりをしているというのが最新情報です。