拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆トランプが北朝鮮に「安全」を保障したが北が裏切ったらどうなるか
西岡力(司会、救う会会長) そういう枠組みの中で金正恩はトランプ大統領と会った。シンガポールまで出てきた。そこでトランプ大統領と金正恩がサインした共同声明が出たんですが、北朝鮮では金正恩がサインしたものは絶対です。これは守らなければならない。
そこでですが、前文にこういうのがあります。私はこの一節だけが意味があると思っています。「トランプ大統領は北朝鮮の安全を保障する。金正恩委員長は朝鮮半島全体の完全な非核化について約束を守ることを再確認した」。
安全と非核化のバーターです。「トランプ大統領は北朝鮮の安全を保障する」とはどういう意味なのか。一部のマスコミは体制を保証すると書きましたが、体制を保証するとは言っていません。安全を保障するんです。日米安全保障条約と同じ意味です。セキュリティです。
ではどこかの国が北朝鮮を攻めてきた時、アメリカは同盟国として守るのか。そんなことはない。安全を保障するということは、「爆撃しないでやるよ」という意味だと私は理解しています。金正恩もそれがほしかったのです。それで文在寅氏も、「今の所中止」となった。
一方、北朝鮮は完全な非核化を約束しましたから、やらなければ安全がなくなるという取引きになった。今の所トランプ大統領は、「あいつはいい奴だ。愛している」と言っていますが、いい奴に裏切られたらもっと怒るわけです。「俺はこんなに信じていたのに裏切った」と。そういうことをいつでも言える状況にしてあるということです。
そしてもう一つ。経済制裁は続いている。いよいよ厳しくなっている。トランプ大統領は6月に金正恩に会った時、拉致問題を出したと言っています。6月12日にシンガポールで会談があり、6月14日、私たちは安倍総理にお会いして、説明を受けました。
たった二日後です。トランプ大統領から直接電話をもらったということでした。その時おっしゃったのは、「共同声明には拉致のことは書いてないが、トランプ大統領は確かに出したと本人が言っている。但しそれは安倍晋三のメッセージを金正恩に伝えた」ということだと思いました。「その内容は言えない」と。「そして金正恩の反応も言えません」ということでした。
これを大きな枠組みで考えると、トランプ大統領は金正恩に、あの人も分かりやすい人ですから、コンピュータで10分くらいの動画を作ってあげたのです。ホワイトハウスでも見られるそうです。核を止めたらどうなるか。明るい朝鮮はこうなります。核を止めなかったらどうなるか。暗い朝鮮になります。お前はどっちを選ぶんだ、と。