拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆中国を締め上げているアメリカが北朝鮮を締め上げないはずがない
島田洋一(救う会副会長)
アメリカの対北朝鮮政策を考えるには、アメリカの対中国政策が参考になると思います。北朝鮮より中国の方がはるかに強大な相手ですから、中国にやる程度のことは当然北朝鮮にもできるはずです。
その点実は先週末に来日したスクーター・リビーという人と少人数で夕食を取りながら話したんですが、リビーというのはハドソン研究所の副所長です。ハドソンというと皆さんは、あれかと思うかもしれませんが、10月4日にペンス副大統領が中国に対して大変厳しい包括的な演説をしました。その場所に選んだのがハドソン研究所です。
まさにリビーはホワイトハウス等と折衝して、ハドソンでペンス演説をやってもらった。だから現在の政権に近い立場にある人です。ペンス演説の舞台裏も知っている人ですが、そのリビーに、厳しい対中国政策では一体誰が司令塔になっているのかと聞いたら、彼は即座に「トランプだ」と言いました。
どういう経緯かと言うと、さっき西岡さんの話にもありましたが、トランプ政権発足後、習近平とトランプの会談を何度もやっています。その度にトランプは、「俺はお前が好きだし仲良くなれるはずだ。そのためには中国がやっている知的財産権の窃盗と、軍事機密を盗むことはやめてくれ。それからアメリカ企業が中国に進出しようとする時に特許等を強制的に吐き出させるようなことは止めろ。そしたらウィン・ウィンの関係になれるんだから」と。
「中国は独裁政権だ。あんたが命令したら明日からなくなるはずだ。やってよ」と何度も言っているんだけども、習近平はへらへら笑いながら全然実行しない。相変わらず窃盗行為を続けているどころか、より巧妙化して拡大している。そこでトランプは、「ふざけるな。あいつは俺のことをなめてる」と。
トランプの場合、相手がなめたことをやってくると10倍返しするのが彼の哲学なので、「中国がそういった窃盗行為をやめたという報告が情報部から上がってくるまでは徹底的に中国を締め上げろ」という命令をトランプが出しているそうです。
リビーに、「トランプは中国共産党体制をつぶすところまで考えているのか」と聞いたところ、「中国は巨大だし、アメリカも共産党独裁政権を倒すところまでは考えてないだろう。但し、今の北朝鮮に関しては締め上げてつぶすところまで考えているだろう」と言っていました。
そしてトランプはこの間の国連演説でも、「北朝鮮が非核化しない限り制裁は一切緩めない」と明言して、抜け穴を塞ぐ作業を盛んにやっています。日本もこれに協力してどんどん締め上げを強めていくべきだと思います。現に北朝鮮は意味のある非核化はやっていないのですから当然制裁は緩めない。そこは全く揺るがないという体制ができている。