拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆時間が経てば経つほど北朝鮮が追い込まれる‐だから今がチャンス
西岡力(司会、救う会会長)
時間はどちらの味方なのか。今島田さんは、時間は金正恩の味方ではないと言った。これがキーポイントです。トランプ政権は、時間はこちらの味方だと思っている。膠着状態なのではなく、時間が経てば経つほど向こうが追い込まれると思っている、ということです。私もそう思っています。だから今がチャンスだと思うのです。
軍事力行使の条件はまだ整っていないということでしたが、北朝鮮がもう1回核実験をしたり、あるいは火星14の通常軌道での発射実験をしたりすれば条件は整うと思います。
少なくともアメリカまで届くものを完成させないというところで止めた。いつでもできる準備はしている。だから金正恩は話し合いの局面に入ったのですが、話し合いの局面に入っても、制裁を緩めなければ向こうは苦しくなるというのがトランプ政権の読みです。
そのためには、制裁に穴が開いていてはいけない。今文在寅大統領の話が出ましたが、韓国と中国が穴になる可能性が高い。最近韓国の新聞を読むと、9月にニューヨークに支店を持つ韓国の7つの銀行にアメリカの財務省が直接電話をかけてきた。
「ニューヨークに支店を持てる条件はアメリカの法律を守ることを知っていますか。今国連制裁がかかっていますよね。あなたたちは北朝鮮の金剛山観光や開城工団の再開に何らかの関与をしているんですか」というような質問です。質問だけです。
普通財務省が韓国の民間企業に何か言いたかったら、韓国の財務省に問い合わせするのが通常ですが、韓国政府を飛ばして銀行に話をした。と思ったら今度は、ソウルのアメリカ大使館が、直接韓国の主要財閥に電話をした。「あなたたちはこの間文在寅に随行して北朝鮮に行きましたよね。制裁があるということを分かっていますよね」と。また電話をしたことが公開された。
韓国の新聞は、「アメリカが韓国政府を飛ばして韓国企業に直接圧力をかけだした」と書いた。一方文在寅大統領は主要財閥を連れて平壌に行ったのですが、金正恩の秘書室長と言われる李善権(リ・ソングォン)という男だったと思いますが、「あなたたち投資しないじゃないか」と財閥が渋った後だったと思いますが、「冷麺(ネンミョン)がよくのどを通りますか」と財閥に言ったそうです。
それは北朝鮮の財閥に対するパワハラだと韓国の新聞で問題になっているんですが、つまり「大々的に投資しろ」と迫ったわけです。しかし、「いや、すぐには決められません」と言った。
そうしたら、「現代の鄭周永(チョン・ジュヨン)は違いましたよ。その場でサインしましたよ」と言ってきた。韓国の新聞によると、北朝鮮には開城工団のような公団を26か所作る計画があって、そこに韓国の投資を呼び寄せようとしている。そして文在寅が連れて行った財閥に投資を求めた。一方それに対してアメリカが電話をかけてきた。
そして金正恩は「投資が来ない」と。「自力更生でやれ」と通知した。でも人民は、「投資が来るはずじゃないか。どうなっているんだ」ということのようです。アメリカも穴が分かっていてそれを塞ごうという努力をしているわけです。
これは島田さんに解説してもらいますが、特にアメリカは特別な武器を持っているんですね。普通経済制裁をかける場合は国連の安保理事会を通すわけです。日本は国内企業に対しては言うことを聞かせようとすることができますが、アメリカは第三国の銀行や企業に対して、国連を通さないでも言うことを聞かせることができる武器を持っているわけです。
それをセコンダリー・リサンクション(二次的制裁)というんですが、それについて島田さんに。