拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆バンク・オブ・チャイナも制裁対象
西岡力(司会、救う会会長)
中国はどうか。中国も4月以降少し緩んではいるんですが、税関を通す輸入は解禁していません。そして何よりも、アメリカが中国に対してセコンダリー・サンクションをかける構えです。
中国の4番目の銀行がバンク・オブ・チャイナです。中国銀行です。日本の旧東京銀行のような外国為替専門の銀行ですが、預金量は日本で一番大きな三菱UFJ銀行より上です。その銀行にアメリカがドル取引停止の制裁をかける可能性があるとずっと言われています。それは北朝鮮との取引を支えているからです。
もちろん過去のことについてかけるのではなく、これ以上やったらかけるぞと通報する。ドル取引が停止して、北朝鮮との取引で失う利益はどのくらいかと考えたら、当然取引できなくなる。
またバンク・オブ・チャイナが対象に選ばれているとリークすることも効果がある。一部で北朝鮮への制裁は効いていない、中国から援助がいっているという話がありますが、内部の文章は、「とにかく自給自足でやれ。自力更生だ」というものです。先ほど9月にやったといいましたが、10月にもそう言っている。
金正恩が中朝国境近くの工場をよく回って、怒鳴り上げたんです。「これは何だ」と。回ったところは皆うまくいってないわけです。「組織指導部のせいだ。組織指導部の幹部はなぜ平壌に座っているんだ。現場に出ろ」と言っています。
組織指導部というのは北朝鮮権力の中枢の中の中枢で、金与正を中心として起きている北朝鮮の幹部の入れ替えと関係があるのではないかと言われています。内部からの情報によると金正恩が訪問した工場は全部支配人を代えられたそうです。
その代えられた支配人も、「何を言っているんだ。油もないじゃないか。電気も来ない。原材料もなくて、労働者を食わせるために機械を中国に売ったことの何が悪いんだ」と言っているそうです。