拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆「隠しているのが分かったらアタックするぞ」と脅すしかない
島田 持っているものを本当に正直に全部出すかどうか。それをどうやって検証するかという話があります。それに対して疑惑施設をIAEAに査察させて撤去するしかないという人もいますが、「リビアモデル」の時どうしたかというと、もし隠しているのが分かったらただではおかないとして斬首作戦をやる。
実際「リビアモデル」の当初、アメリカ側で担当したロバート・ジョゼフという当時首席交渉代表と今年ワシントンで会って詳しく話を聞いてきました。ジョゼフが言うには、「隠しているのが分かったらアタックするぞ」と脅す以外ないんだと。
「IAEAの査察なんて、本気になって隠したら絶対見つけられない。だから隠していることが分かったらつぶす」。これが検証の唯一現実的なやり方だと言っていました。そうだと思います。
西岡 リビアと北朝鮮のもう一つの違いは、リビアは石油を持っていたので密輸することができた。金正恩の場合は、制裁が効いているということがありますから、斬首作戦という脅しと制裁が続くぞという脅しが一定程度効くと思います。
そして米朝がそこまで行くというのが一つの山です。しかし、そういう決断をする時、金正恩は絶対考えます。見返りは何か。ただ安全だけではだめだ。「開発にいくらかかったと思っているんだ」と絶対見返りを取ろうとするでしょう。
それは94年の時もそうだった。その時は韓国と日本に請求書が来た。同じことが起きるでしょう。特に日本の「過去清算資金」が組み込まれています。そうすると、早ければ、それには色々な変数がありますが、2回目の米朝首脳会談の直後に日朝会談が開かれることもありえる。
2回目の米朝首脳会談で金正恩が今持っている核を放棄する。未来の核は別にして。今持っている核を一定程度、全部じゃないかもしれませんが、そうなった場合補償してくれという話になる。もらえるという保証がなければそこまで行かない。