拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆「慎重に、確実に」取り戻せ
西岡力(司会、救う会会長)
9月の国民大集会で飯塚代表は重大な発言をしました。私たちの今年の運動方針は、「再度政府に年内の解決を求める」ですが、飯塚さんは「年内とは言いません」とおっしゃった。運動方針に反しているんですが、「でも慎重に、確実にやってほしい。しかし急いでほしい。期限は切りません」と。
これは情勢をよく分かっていらっしゃって、「早く」という気持ちと、「しかし失敗したら大変なことになる」ということが、飯塚さんにあの言葉を言わせたんじゃないかなと思います。国民大集会の一番の核心の発言は、飯塚さんの発言だったと私は思っています。
しかしこの道しかないんです。ここまで来た。政府も、官房長官を大臣に据えるというこれまでにない布陣をひいた。全力で、我々もできることを民間でやる。最後の力をふりしぼって、難しい、細い道ですが、なんとか頂上まで辿りつきたいと思っています。
島田 1点だけ。拉致問題の解決には国際的な制裁を緩めさせないことが鍵になるんですが、私は河野外務大臣の発言を聞いていて、大変懸念があります。彼はIAEAが北朝鮮の査察に入るようなことになれば日本がお金を出すと何度も言っています。
従来核の問題で色々失敗してきたパターンがあります。まずどこにどんな核物質があるか、施設があるかの申告書を出させることですが、向こうが申告書を出してきた段階で、申告書を出すという行動を向こうがとったのだから一定程度制裁を緩めましょうと、これは国務省が必ず言います。
次にIAEAはまず自己申告施設からやります。それをいくつか査察した結果、怪しいことはなかった、と。そうしたらまたそこで制裁を緩めましょう、ということで、どんどん骨抜きにされていきます。
これが今までのパターンだったわけです。だからボルトン氏が言うように、日本政府も、「まず核爆弾を出せ」と言わなければならない。「IAEAが査察に入るならお金を出します」と外務大臣が言うのは、大変間違ったメッセージになると思います。
西岡 そのことも含めて、今の経済制裁が効いている以上、被害者が全部帰ってくるまで経済制裁を緩めさせないという大前提で、今度は解決の定義についての戦いになると思います。この二つが今日言いたかったことです。次に飯塚さん、横田拓也さんの話を聞きたいと思います。ありがとうございました(拍手)。