拉致問題の現在?なぜ今チャンスと言えるのか 東京連続集会103
◆日朝協議に十分な備えを
飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)
みなさんこんばんは。もう相当長い間、北朝鮮問題、拉致問題の解決に対して、色々な情報を聞き、何度もご判断をいただき、早期に解決をという雰囲気が益々高まっています。
しかし、残念ながらなかなか実現できない。この実態を私たちは重く見なければいけないなと思います。今日の話にもあるように、北朝鮮を取り巻くあらゆる問題、情報、情勢、そしれそれが拉致被害者の帰国にどう関係してくるかということが、今までになく我々にとって有意義に動いているのではないかという感じだと総括できると思います。
そういう中で、実際にはこういった情報、情勢をきちんと捕えて、わが日本政府はしからばどう動いたらいいかということの大きな材料になるとも思います。
結局、外国その他に色々な支援をお願いする形をとってきていますが、やはり日本政府が具体的に北朝鮮と向かい合って解決の方向に持っていくのが最終的な形だと思うんですね。
そういう意味では安倍総理も先頭に立って、この拉致問題で北朝鮮と向き合わなければならない時期が来たと言っています。それは当然ながら色々な圧力、それから制裁の問題もすべて含めて、全部を組み合わせながらどうしたらいいかという考えで持っていくとは思います。
向き合うというのは、ある日突然北朝鮮に行って、「お話しましょう」というのではだめだと思うんですね。今までの情報、情勢をしっかりと踏まえて、どういう確認を得て首脳会談をやろうかということです。
そこまではこれまで行かなかったことですから、私たちがよく言う、「今度こそは騙されないようにしてください」ということです。もう何十年間も騙されて今があるわけですが、その辺を考えて私は、「着実に」というお話をしています。
「焦らずに」というのは、何もしなくていいということではなく、そういう考え方で着々と情報を集め、どうしようかという段取りでまた総理の動き等全部を考えた上での対応にしていただきたいなと思います。
今までどちらかというと、拉致担当大臣というのは他の仕事と兼任だったわけです。もう何人いたか忘れました。それだけたくさんの拉致担当大臣がいても、結局何もできなかったという評価にしかならないんです。
従って今回、官房長官は総理大臣と直結して仕事をする人ですね。そういう意味では、総理大臣と直結した形で、総理に色々な意見具申も言えると思いますし、色々な情報のとりまとめも含めて、いい立場にあると思いますので、今までよりはこの拉致問題については、独立した立場で、あるいは考えで進めていけるのではないかという考えはあります。
当の官房長官に家族会は会いまして色々お話もしましたが、「今までこれだけ長くかかってしまったのは非常に残念だ。今度こそ私はしっかりとやらさせていただきます」という話を最後にされました。
当然のことなんですが、それが実際の行動に結びついていかなければならないと思いますし、今までのように、「あれをやりました。これをやりました」だけで終わってしまわないように。やった結果どうなったのかということまで突き詰めながら次に進んでいくという形で。
そういう意味では今年になってこの問題がクローズアップされたのは、トランプ大統領が就任後、国連の総会で北朝鮮問題を取り上げて、はっきり拉致に言及し、問題提起したからです。今までになかったことです。
これをきっかけに、トランプ大統領は日本にも来て、我々にも会って、「この問題を何とか解決しなければならない」という話を伺いました。そしてまた日本からの要請で、北朝鮮に向けて、拉致問題の解決をはっきりと問題提起してくださいと言ったことも、形としては実現されました。
その後情勢は色々変わってきていますが、そんな時いつも気になるのが、「こう言いました」という話はよく聞きます。そして先ほど言った、それでどうなったのというのがないんですね。