国際セミナー「激動する朝鮮半島情勢の下で拉致被害者救出を考える」全報告
◆一番大切なのは、日本政府自身が主体的に取組んでいくこと
菅 義偉(内閣官房長官・拉致問題担当大臣)
家族会、救う会、そして拉致議連の皆さんには日ごろから様々な活動に、ご理解ご協力を賜っていますことに感謝を申しあげますと同時に、大変心強く思っているところです。
私自身、当選1回生の時から拉致問題に一貫して取り組んできました。内閣官房長官としては拉致対策本部の執行本部長として、そして10月に発足した安倍内閣において拉致問題担当大臣に就任しました。
この問題にしっかり対応したい、そういう決意でこの場に立たせていただいています。北朝鮮からの帰国を未だ果たすことのできない被害者の方々はもちろんですが、切ない思いで帰国を待ち続けるご家族の方々の長年にわたる苦しみと悲しみに思いを致す時に、申し上げる言葉もありませんし、政府として大変申し訳なく思う次第です。
安倍総理も私も、そのような被害者の皆さん、そしてご家族の皆さんの思いを胸に、問題解決に向けてあらゆるチャンスは絶対逃さないとの決意で取り組んでいるところです。
こうした中にあって、本年6月に行われた米朝首脳会談は新たな流れを生んだものであると思っています。また先月にはわが国及びEUが共同提出した北朝鮮人権状況決議が国連総会第3委員会で採択されました。これが国連総会で採決されるように引き続き、各国に精力的に働きかけをしていきたいと思っています。
さらに、中国で北朝鮮に拉致された疑いのあるデビッド・スネドンさんに関する決議案が、先月末、米国上院本会議において全会一致で採択、可決されています。米国の拉致問題に対する高い問題意識を表すもので、歓迎したいと思っています。
このように拉致問題の解決には、米国を含む国際社会との連携が重要です。しかし一番大切なのは、日本政府自身が主体的に取組んでいくことです。総理も私自身も、あらゆる機会に徹底して、チャンスを逃さないで取り組んでいきたいと思いますし、総理は、「自分自身が金正恩委員長と向き合って解決する」との決意を強く表明しているところです。
まさに正念場を迎えていると思っています。本日、このセミナーを通じて、皆様の声がより一層大きくなることは、拉致問題解決の大きな後押しになると思っています。
皆様もご案内の通り、政府はこの10日から16日を北朝鮮人権問題啓発週間としておりますが、その一環として明日、政府主催で国際シンポジウムを開催します。拉致問題を含む北朝鮮の人権状況の改善に向けた具体的な行動を北朝鮮から引き出すために、国際情勢について内外の専門家の皆さんをお招きして、議論したいと思っています。
拉致問題は安倍政権の最重要、そして最優先課題です。認定の有無にかかわらず、すべての拉致被害者の皆さんの一日も早い帰国の実現に向けて全力で取り組んでいく決意です。
どうぞ皆様方におかれましては、今後ともご指導、ご支援を賜りますことを心からお願い申し上げ、拉致問題担当大臣としてのご挨拶とさせていただきます。どうぞくれぐれも宜しくお願いいたします(拍手)。
西岡 ありがとうございました。大臣は公務のため退場されます。拍手でお送りください(拍手)。 続いて各党代表のご挨拶をいただきたいと思います。みなさんとずっとやってきてここまで来ました。まず自民党拉致対策本部を代表して、加藤勝信前拉致問題担当大臣お願いします(拍手)。