国際セミナー「激動する朝鮮半島情勢の下で拉致被害者救出を考える」全報告
◆非核化の撤回はまずありえない、その後に必ずチャンスがくる
竹内譲(公明党拉致問題対策委員長、衆議院議員)
皆さんこんにちは。この40年の歳月の中で5名の拉致被害者とそのご家族が帰国されたわけですが、未だ多くの皆さんは帰っていません。痛恨の念に堪えない思いです。また、解決の日を待っているご家族の思いにも切迫した思いがあり、察するにあまりがあると思います。
今日は大口厚生労働大臣を初め、多くの国会議員の方々にも来ていただいています。私は京都の出身で、市議会議員をやっていた時から横田さんご夫妻に京都に来ていただくなどのことをやっていました。何とか取り戻さなければということで地方議会も全国で一生懸命やっているわけです。
6月に米朝首脳会談があり、流れは大きく動き出していると思います。もちろん、一進一退はあると思います。トランプ大統領は来年早々にも金正恩と会いたいとの意思を示していますが、交渉事ですからすぐにいくかどうか分かりませんが、しかし、北朝鮮にしてみれば国際社会に向かってこれだけ大きなことを表現した以上、ここで撤回することはまずありえないと思います。
まだ非核化の対応はなされていませんが、我々としては厳格な制裁を継続していくという意思を示す必要があると思いますし、その上で今後必ずチャンスがやってくると思っています。
菅官房長官や加藤前大臣もおっしゃいましたが、安倍総理を先頭に、公明党も一緒になって動かしているわけです。これは私の見方ですが、米中貿易戦争を踏まえて、日本も中国との関係を改善しなければならないということになってきたわけで、これは中朝関係に一定のくさびを打ち込んで牽制球を投げることになるのは確かなことだと思います。
そしてまた安倍総理が一生懸命、北方領土問題の解決に取り組んでおられます。これは私の独自の見方ですが、こういうこともある意味で北朝鮮を包囲していることだと思います。
そして非核化が具体化していく過程が必ずやってきますし、経済力を有している日本の存在感が大きく増していくのではないかと思っています。北朝鮮には豊富な資源もあり、労働力もあります。もし北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、明るい未来を描くことができるのではないか。その時が拉致問題解決の絶好の時ではないかと思っています。
そういう大きな情勢変化を捕えて、政府与党一丸となって主体的に解決をしていかなければならないと強く決意しています。公明党も与党の一翼を担う立場として、皆様の心を受けて、一刻も早い解決に向けさらに努力をしていくことを申しあげて、ご挨拶とさせていただきます。今日はありがとうございました(拍手)。
西岡 ありがとうございました。続いて、野党から立憲民主党拉致問題対策本部事務局長の村上先生、お願いします。