国際セミナー「激動する朝鮮半島情勢の下で拉致被害者救出を考える」全報告
◆米朝会談で核で一定の進展直後に日朝交渉に
西岡力(救う会会長、麗澤大学客員教授)
そして今の私の立論が正しいとすると、初めは米朝です。日朝じゃない。米朝で核のことが一定程度動かなければ日朝は動けない。日本も核・ミサイルが全然解決していないのに100億ドルを出すことはできない。
でも本当に北朝鮮が苦しくなって、追い込まれて、経済制裁が効いて、先ほど古森さんが触れたように政権がもたないという状況になった時に初めて交渉を始める。そうなった時に、核・ミサイルと共に拉致の交渉がなされる。
トランプ大統領は核が放棄されてもその費用は払わないと言っている。その費用は過去の(日朝の)清算資金を充てるという枠組みができています。例えばジュネーブでもしも米朝首脳会談があれば、そこに安倍総理が呼ばれる可能性がある。その直後に日朝が行われる。先に米朝会談がなければならないのですが、米朝がまとまらない限り日朝も進まないという構造ができた。
しかし、米朝がうまくいかない可能性もある。さっきポッティンジャーさんが言ったという「物理的な力」に戻るかもしれない。そこはまだ分からないのですが、繰り返しますと、核に対する圧力が拉致にも使える枠組みができている。しかし、枠組みができただけでまだ金正恩の決断はされていない。それをどうするかが私は今の課題だと思っています。
島田 それでは渡辺議員の質問ですが、まだ制裁の抜け穴防ぎなどやるべきことがあるとのお話でしたがどうですか。