2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告
◆金正恩暗殺計画があった
西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
そしてもう一つ。最近明らかになってきたのですが、2015年から16年にかけて、韓国の朴槿惠政権と北朝鮮の一部の勢力が組んで、金正恩を暗殺する計画があった。
北朝鮮は2017年になって、「そんな計画があったとはけしからん。責任者である李炳浩(イビョンホ)国家情報院長を引き渡せ」という声明を出しましたが、韓国の「月刊朝鮮」という雑誌や、朝日新聞のソウル支局や東京新聞の北京支局の報道で、北朝鮮が言っている暗殺未遂事件、暗殺計画があったという情報が次々に出ています。私の所にも、独自にそういう情報が届いています。
韓国の国情院が一定の関与をしていた。もしかするとアメリカのCIAも関与していたのではないかと言われる計画で、そのことも北朝鮮が危機感を持った理由です。
2014年、15年に、北朝鮮が核実験を続ける中で、「朴槿惠は北朝鮮が核・ミサイル開発をやめないのならレジーム・チェンジをすると言った。そして金正恩暗殺計画にサインした」という報道があります。
今文在寅政権になって朴槿惠大統領は留置場にいますし、李炳浩国家情報院長も留置場にいます。その李炳浩さんに接見した弁護士によると、李炳浩前国家情報院長は、「北朝鮮の中に反体制派がいたら我々が支援するのは当たり前じゃないか」と言っているそうです。
事実上、北朝鮮内部の反対派勢力と組んで金正恩除去をしようとしたことを認めたともとれる発言です。そういうこともあって、金正恩氏は、核・ミサイルは開発していない。開発直前までいっているので甘く見てはいけませんが、直前の段階で「完成した」と言って対話にかじを切った。
そして6月にトランプ大統領に会って、少なくとも軍事攻撃は今しないという保証をもらって一息ついた。ただ、金正恩氏を動かしたのは軍事攻撃の圧力だけではなく、もう一つ、厳しい経済制裁がありました。