2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告
◆制裁緩和はすべきでないとアメリカに日本がどれだけ言えるか
西岡 経済制裁の緩和にアメリカが踏み込むかどうかについてはどうですか。
島田 これはさっきの情報評価にも関わりますが、アメリカの情報部の平均的な見解は、あと数回北朝鮮がICBMの実験をしないと再突入技術や地上数百メートルでうまく爆発させる技術は持てないだろう。従って現段階では実戦配備はできていないというのが多数意見ですが、少数意見もあってロシアあたりから再突入技術や爆発技術をもらっているので、実験をしないで既に実戦配備している可能性があると言っています。
そこでトランプ大統領としては多数意見の方をとっていると思われます。例えばイランに関しては多数意見はイランは核開発をストップさせているというもので、少数意見として、イスラエルの情報を元にして秘密の核開発を進めているというものです。ボルトン氏はイラン問題に関しては少数意見の方をとっています。その辺は政治の判断になるわけです。
そして経済制裁の緩和ですが、米朝首脳会談の数週間くらい前にはボルトン氏も作戦会議に関わってくるでしょうから、まさに日本がどれだけしっかりボルトン氏等と連携して釘を刺せるかにかかってくるわけです。日本がしっかり釘を刺せれば制裁緩和のカードを切らせずに済む可能性が十分にあると思います。
ボルトン氏は、先ほどの情報評価に関しても、北朝鮮に関しては少数意見をとっていますので、このまま放っておくとアメリカを射程に入れたICBMが増えていくので、締め付けを一切緩めてはいけないと考えるわけです。彼がどれくらい力を持っているか、日本がどれだけしっかり発信するかにもよってくるということだと思います。