救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告



◆米朝の後に日朝をやり金を取る目論見

西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
 そして米朝首脳会談の中に、拉致も組み込まれた。北朝鮮の内部情報では、米朝の後に日朝をやる、日本からお金を取ると言っているそうです。去年の秋に私が聞いた話では、労働党の地方のある幹部が、知り合いの逃げた人に、「日本が100億ドル出すというのは本当か。それは現金で来るのか。お前は日本に知り合いはいないのか。調べてくれ」と聞いてきたそうです。
 100億ドルという説が今、広まっているんです。これはロンドンの北朝鮮大使館から亡命した太永浩(テ・ヨンホ)さんという人が2002年に、小泉訪朝の時に100億ドルの約束を受けたと姜錫柱次官から直接聞いたと言っているんですが、そういう話が北朝鮮の中で広まった。
 その時の話はODAであって現金ではないんですが、でも対日パートでない人も今その話をしている。そこでも問題なのは、100億ドルはODAで貰って、韓国のいわゆる徴用工の裁判があったから、過去の清算であと100億ドル貰おう。それで200億ドルになるじゃないかという話になっているそうです。韓国でやっていることが北朝鮮にも影響を与えている。
 そういうことはあるようですが、国連の推計だと北朝鮮のGNPは200億ドルで、韓国銀行の推計だと400億ドルだそうです。その中で100億ドルが支援としてくるというのは、もちろん韓国からもとれるでしょうが、これは大きい。
 特にODAで鉄道とか港湾とかを作ることができれば大きい。期待もあるわけです。北朝鮮の内部では2002年を研究したそうです。あの時は、彼らの総括では、アメリカの反対でつぶれた、と。日本は自力で外交ができない。
 あの人たちは世論というのを知らないから、それほど重視していないんですが、だから今回はアメリカを先にやる、と。アメリカが日本にお金を出してもいいと言ったら出る。あるいはアメリカに日本のお金を使わせる。トランプが、「安倍君出せ」と言ったら、出す、と。
 94年の第一次核危機の時は、村山政権が、クリントン政権がジュネーブ合意をまとめながら10億ドル出すと約束して、実際5億ドル出したんですね。拉致が何も動いていないのに。アメリカが決めたら日本が出した。北朝鮮から見ると、日本はそういう存在に見えていて先に米朝をやっているわけですが、日本に来ようとしているのは間違いないのですが、そのためには米朝がもう一歩進まなければならない。
 今の段階で制裁を緩めるということがあったら、一息ついてしまって北朝鮮は余裕をもってアメリカとの交渉をしますので、追い込まれない。トランプ大統領は、「今までの大統領は全部失敗してきた。俺は違うんだ」と言っているわけですが、今ライス、ヒルのやった失敗をするかどうかという局面になっているのではないかと思います。
 その時激しく批判していたのがボルトンさんで、当時は民間人でしたが、その人が今中にいる。そして同じように、安倍総理が総理だったらそこまでいかなかったはずだと思うんですが、福田政権で歯止めがかからなくて「テロ支援国家」を解除されちゃったわけですが、今安倍政権です。トランプ、安倍の関係もいい。
 これまで我々がやってきたことが活かせるかどうか。国際活動や対米活動をやってきましたが、まさにこの時のためにやってきたと言ってもいいくらいの状況になっていると思います。
 ここで焦らなければ、向こうが困ってきたわけですから、まさに飯塚代表が9月の国民大集会でおっしゃった、「焦ったら負けだ」と。困っている時に焦って、向こうに何か与えたら向こうはそれだけを取って何も譲歩しないということを、何回も何回も我々は経験してきたので、家族のことを考えると、健康状態や年齢のことを考えると焦りたいのですが、公開の席で、「焦ってはだめだ」とお話をされたのを私は後ろで聞いていて、本当によく分かっていらっしゃるなと思ったのです。
 トランプ大統領に正しい情報を知ってほしい。北朝鮮は困っている。北朝鮮は年間30億ドルくらい外貨がないとやっていけない。今までそれでやってきたのですから。それが10億ドルくらいになっている。穴が開いたら、外貨が充当されてしまう。せっかくここまでやってきたことを無駄にしないでほしい。そう強く思って息を呑むような思いで米朝の状況を見ています。


  
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