家族会・救う会の新運動方針と米朝首脳会談-東京連続集会報告
◆軍事的緊張があって対話が始まった
西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
皆さん、こんばんは。お手元に家族会・救う会の新運動方針と北朝鮮指導者へのメッセージがあります。マスコミでも報道されましたし、救う会のメールニュースでも発信しましたのでご存知とは思いますが、今回の運動方針で新しいことは、金正恩氏に対して家族会・救う会でメッセージを出したことです。
これは運動を初めて22年目になりますが、初めてのことです。その背景について私から少し説明をします。そして今日は家族会の代表と事務局長が来ておられますので、メッセージにこめられた思いを語ってもらいます。
このメッセージを持って総理の所に行き、総理に伝達しました。また米朝首脳会談について一昨日総理から報告をしていただきました。そのこと等を踏まえていま考えておられることを話していただきたいと思います。
まず、このメッセージを出した背景ですが、去年の今頃はまだ緊張状態が続いていました。一昨年の2017年とその前の2016年は大変軍事的な緊張が高まっていました。北朝鮮は2年間で、弾道ミサイルを40発撃ちました。また核実験を3回しました。
北朝鮮はこれまで6回核実験をしましたが、その内3回を2年間でやりました。特に2017年9月の核実験は、広島に落された原爆の10数倍の威力でした。それだけの威力を持つ原爆を持ってしまったのです。
それでトランプ大統領は軍事的手段も排除しないで核を取り上げると言っていて、空母が3隻朝鮮半島周辺に来たり、原子力潜水艦が来たり、グアムにいたB1Bという60トンのミサイルと爆弾を積める戦略爆撃機が20回以上朝鮮半島周辺で演習をしました。
最近明らかになってきたのですが、韓国の情報機関が北朝鮮内部の協力者と組んで金正恩暗殺計画を実施しようとしたことがありました。
そういう中で私たちは、拉致問題が核・ミサイル問題の嵐の中で吹き飛んでしまうのではないかという強い危機感を持っていたのですが、1年経って起きたことは、対話局面でした。
北朝鮮は核・ミサイル開発を続けたのですが、アメリカは軍事力を使ってもやめさせるという構えに出た。一昨年の9月15日にミサイルが撃たれた後、ぱたっと核・ミサイル実験が止まりました。
9月23日にアメリカのB1Bが北朝鮮の元山沖まで出て行ったことが一つの契機だと思いますが、そして11月に火星15というミサイルを日本海に落した後、核・ミサイルは完成したと言いました。しかし完成していないんです。完成する直前までは行った。
大気圏に再突入する技術もまだ完成していないのに、「完成した」と言った。それは、このまま実験を続けると本当にアメリカが戦争をして金正恩を殺すかもしれないと思ったからです。それで去年対話を始めた。