家族会・救う会の新運動方針と米朝首脳会談-東京連続集会報告
◆少ない譲歩で大きな成果を得ようとした北朝鮮
西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
ではここからは、2回目の米朝首脳会談の結果を拉致問題の観点から分析して、今後の展開をどう予測するか、そして我々は何をすべきかについて話をしていきたいと思います。
私が火曜日に「産経新聞」にコラムを書き、島田さんが水曜日に同じテーマでコラムを書いているので、配布資料を参考にしてください。また、島田さんは地方にいるので行きませんでしたが、私は家族と一緒に安倍総理との面会に行きましたので、そのことも踏まえてご報告したいと思います。まず私から概括的な話をして、アメリカから見た側面を島田さんから話をします。
まず米朝首脳会談そのものの評価ですが、私は実は別のところでも事前に書いていたんですが、北朝鮮は大陸間弾道弾の廃棄と寧辺の廃棄を言ってくるのではないかと予想していました。そして北朝鮮はアメリカに対して、韓国との経済協力を経済制裁の例外にしてくるのではないかと思っていました。
もう一度言いますと、北朝鮮が出すカードとしては大陸間弾道弾と寧辺の廃棄、アメリカに求めるカードとしては国連制裁の全部の制裁の解除ではなく、南北経済交流だけを例外にしてほしい。具体的には開城工団と金剛山観光を例外にしてほしいという要求をしてくるのではないかと思っていました。
そういう情報もありました。その場合、トランプ大統領はアメリカ人の安全が確保されたと言って、国連制裁は解除しないが同じ民族だから南北経済交流は例外として呑む可能性があると思っていました。そうなると圧力が弱まってしまうのでどうなるんだろうかと思って見ていました。
ところが北朝鮮が出すカードは寧辺だけで、大陸間弾道弾は入っていませんでした。そして北朝鮮がくれと言ったものは、南北経済交流の例外化ではなく、ほぼすべての経済制裁の解除でした。私の予想よりも小さなものを出して、私の予想よりも大きなものをくれと言ったということです。