家族会・救う会の新運動方針と米朝首脳会談-東京連続集会報告
◆追い込まれたトランプは外交で成果を狙い譲歩すると北が誤解
島田洋一(救う会副会長、福井県立大学教授)
今回の米朝首脳会談の前、そして会談中のアメリカの主流メディアの報道、そしてそれを受け売りしている日本のメディアの報道を見ていると、一致して、いわゆるロシアゲート等で国内的に窮地に追い詰められたトランプ大統領が外交で成果をあげようと変な譲歩をするのではないか懸念されるというもので一色でした。
これは北朝鮮の外務省あたりも、そういう報道をそのまま受け取って、これはトランプに対して相当ふっかけても受け入れるのではないかと思って、かなり無茶な球を投げたと思われます。
一方トランプ氏の方は首脳会談で、北朝鮮の疑惑核施設を写真、地図を見せて、こっちはきっちりつかんでいるぞ、ごまかしはできないということを言った。一昨日当たりからアメリカのメディアも、特にCNNが詳しかったですが、政府高官2人と関係者1人からとった情報だと言っていますが、トランプ氏が席を立って決裂になった。
その後崔善姫(チェ・ソンヒ)という北朝鮮の外務次官が慌ててアメリカ側の宿舎にやってきて、「こちらの要求をちょっと落とした案を持ってきたので見てほしい」として、解除を求める制裁の水準を少し緩めたものを提示してきた。
それに対してアメリカ側が、「ところで廃棄すると言っている寧辺の施設はどれなのか」と。ウラン濃縮施設、プルトニウム再処理施設等色々あるのですが、「これら全部なのか一部なのか」と聞いたところ、崔善姫が「確認してきます」と北朝鮮側の宿舎に戻って、また慌ててアメリカ側にやってきて「すべての寧辺の施設を廃棄します」と言ったそうです。
この報道が正しいとすると、間違った反証は出ていないので正しいと思いますが、北朝鮮も最初に無茶な球を投げたけれども、その後少し落としたBプラン、Cプランを出そうと考えたのではないか。