救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の新運動方針と米朝首脳会談-東京連続集会報告



◆安易に米国が経済制裁解除に行ってしまう可能性も残っている

島田洋一(救う会副会長、福井県立大学教授)
 ところがトランプ氏の側から、他の疑惑について写真などを突き付けられて、金正恩としては対応しようにも判断をしかねている間に、もう決裂だということになってしまって、Bプラン、Cプランを出すタイミングを失ってしまった。
 それでも手ぶらで帰るのはまずいということで崔善姫がアメリカ側に働きかけてきた。従って北朝鮮が制裁解除で要求水準を下げてきたのがどういうものか現時点では分からないのですが、Cプランを前提に今後米朝の話し合いが続いていくのではないか。
 従って、日本から見るとかなり安易な経済制裁解除に行ってしまう可能性はなきにしもあらずです。今回、我々が一番信頼しているジョン・ボルトン安保補佐官が米朝会談に出ていましたが、特徴的なのはボルトンの前の席が空いていました。これは異例のことで同じ人数を揃えるわけです。
 ボルトン氏はベネズエラ問題に今忙殺されていて、ハノイにいる間の彼のツイートを見ると、ほとんどベネズエラに関するもので、北朝鮮に関するものはほんの一部でした。
 従って、ボルトン氏も緊迫する中米情勢が忙しい中でハノイに飛んできて首脳会談にも同席したが、彼の身体は一つしかないので、今後ベネズエラやイランが同時にややこしい状況になってきたら、北朝鮮にほとんど精力を割けないという可能性もある。
 事前の関係者の証言を見ると、ビーガン氏(北朝鮮担当特別代表)、彼は国務省の人で宥和派が多いのですが、彼がやっている北朝鮮との実務協議でどうも譲り過ぎるのではないかとボルトンが不安を感じて牽制にかかった。
 しかし、ベネズエラに忙殺されていて困ったな、と。保守派の間からも「ボルトンは絶対ハノイに行け」とせっつかれて彼は行った。まず釜山に寄って日本の外務省の担当局長、谷内さんですね、それと韓国のカウンターパートと協議をして、それからハノイに乗り込むという話でしたが、釜山での会談はキャンセルされた。
 ポンペオ氏(国務長官)については、彼がどこまでしっかりしているのか分からない部分があるのですが、ボルトン氏の場合はブッシュ大統領(長男)の時の国務次官で大量破壊兵器担当、その後国連大使の時に北朝鮮に対する制裁決議をまとめる役割をしていましたし、イランの核問題もずっと担当していた。まさに核問題の専門家なんです。
 ポンペオ氏はそういう経歴がないので、国務省の宥和派に取り込まれる恐れもなしとはしない。今回ポンペオ氏は事前にハノイに入って、北朝鮮側のカウンターパートである金英哲氏(キム・ヨンチョル、労働党副委員長)と会談した。その下の事務レベル協議がまとまっていないから、いわゆる外相レベルで詰めようという申し入れをしたらしいんですが、北朝鮮側が結局応じなかった。
 これはおそらく金正恩が事前にやらせずに、首脳会談の場で自分がいきなりトランプ大統領に鎌をかけて取れるだけのものを取ろうと思ったから外相級の会談には応じなかったのではないかと思われます。


  
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