家族会・救う会の新運動方針と米朝首脳会談-東京連続集会報告
◆アメリカの軍事的圧力がある時北は動くが、今止まっている
西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
90年代の大飢饉では、党に忠誠心を持って配給を待っていた人が死んでいったのですが、今回は貧富の差が開いていって貧しい人たちが苦しんでいるという状況です。幹部たちもそれを知っていて、このままではだめだということが分かって、幹部の不満も高まっている。そのことを金正恩氏は知っています。
だからまずはアメリカがどこまで情報を持っているのか、なぜ降仙(カンソン)がばれたのか、スパイが入っているのではないか調べろ。屋根の中のものは衛星では見えない筈だ。平壌の近くまでアメリカのスパイが入っているのか、ということになっていると思います。あるいはアメリカの政治の分析は誰がやったのかということにもなっている。
それを立て直した後、多分崔善姫(チェ・ソンヒ)が持ってきた第2案、第3案を持って来て、これでやりましょうということになると思います。アメリカと関係を切るということはやらない。
そこでかなり近い段階で米朝が一定程度進む可能性があると思います。今日本の中では、米朝が悪くなったので日朝が進むかもしれないという解説をする人がいます。それは小泉訪朝の時がそうだったからだということです。
しかし私はそう見ていません。北朝鮮が核・ミサイルをどんどん撃っている時には日朝が先になる可能性があると思っていました。トランプが軍事的圧力をかけた。その段階がちょうど2002年と似ている。
私は、その小泉訪朝型になるか、それとも94年のカーター訪朝型になるか、どちらかが起きるだろうと言って来ました。北朝鮮は追い込まれたら譲歩する。クリントン政権が爆撃を準備したら、カーター訪朝があった。ブッシュ政権が軍事的圧力をかけたら小泉訪朝があった。
北朝鮮はアメリカを選んだ。今アメリカは少なくとも軍事的圧力は止めています。軍事演習も止めました。北から見ると一旦一息ついた。そういう中で小泉訪朝のようなことは起きないだろうと思います。
そして我々は小泉訪朝のようなことが先に起きてくれた方がいいと思って、その時出せるものは何かと考えて人道支援をすることには反対しないという運動方針を3年くらい前に出しました。あるいは国際制裁と日本の独自制裁には違いがある。国際制裁よりも厳しい部分については拉致に使える、という話もしました。