訪米報告と米大統領面会報告、最新情勢報告-東京連続集会106
◆我々がアメリカのキーマンと会えること自体が、北朝鮮への圧力に
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
今回の行程も過去の行程も同じことが言えるのですが、我々がアメリカのキーマンと会えること自体が、北朝鮮にとってはとてもプレッシャーになるだろうと思います。これまでアメリカの国内で拉致問題はそれほど知られていなかった、表面的なことしか分かっていない時代があったのですが、今は、トランプ大統領が2017年9月に国連総会で演説したことを初め、11月に日本で我々にお会いしてくださったことで、アメリカの議員や要職者の方々がこの問題をよくご存じという形になりました。
北朝鮮は我々家族会、救う会の行動やアメリカ政府の考え方をつぶさに注視しているという状況がある中で、日米の首脳同士の絆に加えて、我々が一体としてこうした地道な活動を見せることが北朝鮮への重要な圧力につながっていると考えています。
国務省を出た後、スコールのような雨が降ったためなかなか移動ができず、次に下院議員のフレンチ・ヒルさんと会う予定になっていたのですが、渋滞にはまってしまいお会いはできたもののほとんど話をすることができませんでした。
翌5月3日、シンクタンクのハドソン研究所で、ハドソン研究所・北朝鮮人権委員会・日本政府共催の「北朝鮮拉致問題セミナー」がありました。そこに、マイケル・スネドン(デビッド・スネドン兄)さんと、シンディー・ワームビア(オットー・ワンビア母)さん、黄インチョル(1969年KAL拉致家族会会長)さん、そして私と耕一郎さんという、それぞれ北朝鮮に苦しめられた被害者家族が出て、拉致問題の残酷さ、深刻さを発信しました。
現場には生中継のテレビを含め複数のメディアが来てくださり、アメリカ人被害者の家族が出てくださっているというのが、ある意味で注目のポイントだったという点もあると思いますが、この問題がアメリカの報道により広く知れ渡ることによって拉致問題、人権問題にスポットが当てられる国なんだなと感じました。この席に政府から左藤副大臣が参加され、日本の考え方、方針を発信していただきました。
午後に、NSC(国家安全保障会議)のマット・ポッティンジャーアジア上級部長にお会いしました。2017年の9月にもお会いしましたし、11月にトランプ大統領来日の際も同行されましたが、ポッティンジャーさんは既に我々の考え方や拉致問題の構造や問題点、北朝鮮の政治手法を細かく知っている人ですが、改めてトランプ大統領が米朝首脳会談で拉致問題を取り上げてくれたことへのお礼をお伝えすると共に、ビーガンさんにお伝えしたのと同様に、拉致問題が解決されない限りアメリカ政府も制裁を緩めてはならないことをお伝えしました。
この席で、ポッティンジャーさんからは、私の父が入院していることにお見舞いのお言葉をかけていただき、左藤副大臣から大統領来日の際には是非会っていただきたいと依頼をしていただきました。
若い、元海兵隊員ということもあり、正義に対する熱意がものすごく伝わる方ですが、何回も会っていることもあり、私が言っていること、耕一郎君が言っていることに耳を傾けてくださって、そのままトランプ大統領の耳に伝わるんだなということを実感しました。
約30分間の時間でしたが、終わった後、私から駆け寄って、ボルトンさん(国家安全保障問題大統領補佐官)にも伝えてほしいと依頼しました。「必ず詳細を伝える」と言ってくださいました。5月27日にトランプさんに面会したことを軸にして考えると、ポッティンジャーさんがホワイトハウスに耳打ちしてくれたのではないかと思います。
5月3日に国際セミナーに出て帰ったのですが、今回はゴールデンウィークということもあって多くの方には会えなかったのですが、国務省、NSCのキーマンに会って、我々の考えを改めてお伝えできたことに意味があったのかなと思います。